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もしも洞察力があったなら……。

【広報のタネ】記事が掲載されたら広報担当はお礼を言うべきなのか。

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フェイスブックでは毎日様々なコンテンツのシェアリングが行われていて、中にはすごくいいものや、案外そうでもないものとがあったりするわけですが、とにかくコミュニケーションが活発に行われています。

過日、旧知の人から「実務が分からない広報担当者への広報・PRの手法紹介」の【掲載後のお礼】に関するこのような記事が紹介されていていたので拝読しました。読後、実は少々違和感を覚えましたので、私の考えをせっかくだから共有させていただきます。なお、このブログ主の方とは直接面識もない中、このコンテンツが成し遂げようとしていることについては、基本的には賛同していることをあらかじめ申し上げておきます。

話題を一本に絞ります。

「記事が掲載されたら、広報担当はお礼を言うべきだろうか」

この回答に、即答で「当たり前だろ」「もちろんYes」と思われた方は、もう少しだけ広報とはなにかについて勉強して頂いた方が良いかもしれません。

「Noだよ。決まってる」「ありえない」と思われた方は、新時代のPRとは何かについて、ぜひ私と一緒に学んでいきましょう。

「記事が掲載されたら、広報担当はお礼を言うべきだろうか」・・・
マニュアルに記載できるような正解は、ないかもしれません。

私の考えはこうです。

-

まず、首尾よく取材や会見を狙った通りにこなして、当日か翌日に記事になったとしましょう。
このときに、私たち広報がしっかりやらなければならないことは、

ちゃんとその「記事を読む」「番組を見る」「放送を聞く」です。

そして

「それについてどう思ったかを考える」
「周囲の人の感想を聞く」

です。

単独取材ではなく、会見などで掲載数が多い場合は全体を俯瞰した感想でもいいでしょう。

*私の友人の某社広報担当は、新聞掲載多数の場合は全部床に並べて、いすやベッドに立って上から眺めるそうです。

そして、それらを大人の言葉にまとめます。

そして、機会あるごとに、フィードバックをします

こちらからお電話する場合もありますし、記者から電話がかかってくることもあります。
もちろん、メールやソーシャルメディアのダイレクトメッセージ等などでもかまわないでしょう。

以上です。

・・・

え?お礼の話は?


と思われた方。

もしも貴方が優秀な広報担当だったら、「お礼」を目的に相手と連絡を取ることはないでしょう。もし、「お礼」を目的に相手と連絡を取るのだとしたら、その考え方は見直した方がいいですね。

広報は常に次のことを考えていなければなりません。
この先、長期かつ継続的にコミュニケーションをとるチャンスがあるから、受話器を取り、パソコンやスマフォに向かい、連絡を取るのです。

つまり、お礼を言うことは目的にはならないのです。(絶対、とは言いません。念のため)

そして、もうひとつ。

先のブログにも書かれていることですが、

「ジャーナリストは貴方のために仕事をしているのではない」

ということです。これがジャーナリズムのとても重要な憲章の一つであることを、多くの後進の方に知っておいてもらいたい。

それを、最大限尊重するのが我々の役目です。

乱暴な言い方をすると、記者は、読者・視聴者・聴取者がいなければ成り立たない仕事をしています。

つまり、記事を書き、レポートした後に、彼らが渇望するのは受け手の反響です。お礼ではありません。貴方のために仕事をしているわけではないのですから。

ですから、私たちがフィードバックするのです。

お礼を言うために連絡を取るのではありません。

そして、相手との関係や、その取材の態様、その場の雰囲気によって、
「ありがとう」
と言えばいいのです。

この「ありがとう」は心の中にとどめておく場合もあります。
本当はありがとうと言いたいけれども、相手との緊張感、崇高なプロフェッショナリズムを堅持したい場合は、飲み込みます。

この「ありがとう」は、「私たちも勉強になりました。ありがとうございます。」という意味にも使えます。会話の流れが適切ならこうした感謝の気持ちを伝えればいいと思います。

最終的に、お礼を言われて嬉しいかどうかは、相手が決めます。

貴方ではありません。

そして、先に申し上げたように、ありがとう、が、相手にとって嬉しくない場合があることを、深く理解して欲しいと思います。


最後に、

もしも広報担当者として品格を持ちたいなら、

いつも、心の中で「ありがとう」と言いましょう。

言霊を信じて。

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*事実誤認の記事が出た場合には開口一番、「ありがとうございます」と言ってから始めるとよい、というセオリーが載っていない、という指摘を僕の大好きな広報パーソンから頂きました。余談ですが、この方から開口一番「ありがとう」と切り出されると記者の方は心拍数が上がるとか、上がらないとか。

なお、このテーマは別の機会に取り上げてみたいと思います。

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