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もしも洞察力があったなら……。

エンジニアド・システムズの時代、本格到来

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ITシステムの一番大きな課題は、変化対応のスピード、それを実現する標準化を、コスト削減しながら進めることができないというものにある。

オラクルという会社は、サンマイクロシステムズを買収するずっと以前から、ハードウェアとソフトウェアの融合について討議、開発を進めてきた。その第一弾が「Exadata」だった。これを、オラクルは「ハードとソフトを共に開発して活かす」思想で生まれた「エンジニアド・システムズ」と名付けた。

オラクルでは、データベースマシンとして、データウェアハウスやOLTP、バッチ処理のパフォーマンス向上に適したExadataの他に、高速クラウドマシン「Exalogic」や、超高性能汎用マシン「SuperCluster」、最近では高速分析マシン「Exalytics」を立て続けに発表してきた。これまでに多くの事例も公開しており、B2BのIT市場に新風を巻き起こしたと言ってもいいだろう。

極端だが、経営環境の変化が激しいと、システムの導入に手間をかけすぎた場合、完成したころにはまた変化が起きていて、永遠に時代遅れのシステムを使い続けることになる。それを避けるためには、すばやい導入と展開が不可欠。共通基盤として使える仕組みについては、システム会社が都度構成、構築をするのではなく、予め完成品として提供する方が効率がいいはずだ。

自動車に例えれば、ドアやエンジンをバラバラに買ってきて自宅で組み立てる人はごくごく稀で(絶対にいないとは言いません。たまーに聞きます。)、ほとんどの人が完成車を購入するのに似ている。なぜか?自動車に期待する基本は、「キーを回せばエンジンがかかり、確実に走り、曲がり、止まることができる移動のための製品」だからである。ITシステムの近未来は、マニアのためのバラバラの技術ではなく、ごく普遍的な期待に応えるための製品になろうとしているのだ。

オラクルだけが、エンジニアドシステムズに取り組み、いわば孤軍奮闘をしているのではなく、どうやらこのニーズを満たす多くの製品事業会社(具体的にどこかはあえて申し上げません。)が満を持して出没してきたことが、帰納的ではあるが、その隆盛を証明しているのではないか。

ユーザは、このアプローチを採用することで、従来手法よりも多くのメリットを得ることができるだろう。スピードだけではなく、3.11以降私たちが直面してきた安全、耐障害、節電などの需要にも大いにメリットがある。

エンジニアドシステムズ市場は、製品ライフサイクルでいえば、「成長期」に差し掛かっている。成長期とはすなわち、導入期に先行したベンダーの成功を受けて、二番手、三番手、四番手と、数多の企業がその市場に参入する、「群雄割拠期」。ここで、さらに多くの、真のニーズを、競争して拡大させながら、大規模にIT市場のイノベーションを起こしていく。そういう新たなパラダイムシフトの時代がやってきたのだ。

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*個人的意見です言っとかないと。
*日経コンピュータ5月24日号の編集長インタビューは必読。

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