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もしも洞察力があったなら……。

Think Big, Start Smallの落とし穴:サービスを盛り上げたければ、最初が肝心

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私はThink Big, Start Smallのアプローチはとても気に入っている。自ら考えた素晴らしいアイディアをまずは素早く試して、うまくいったなら、大きく展開していく、というヤツだ。しかし、アプローチ次第では、そこに落とし穴があることに気がついたので触れてみたい。

貴方が、Webサービスの企画推進責任者だったとしよう。自社のWebサイトへのパイプライン(ここでは便宜上アクセスと同義にします)を増やすべく、貴方は次から次へと新しいサービスを立案し、実行に移していきます。最初は3つしかなかったサービスが数カ月で10を越えるほどになった。そのうちのいくつかはパイプラインを醸成するのに大きく貢献しているが、実際のところ7割はほとんど活動が停止中だ。現場の担当者が、アクティブな3割のサービスに時間と労力を注がざるを得なくなっていて、いわばほったらかし状態となっている。

ほったらかしになったサービスたちというのは、当初の着想は斬新だったものの、継続するためには相応の労力を割かねばならず、簡単に言うとその担当者にとっては「面倒くさい」仕事となっていたのだ。しかし、立ち上げ当初では、いずれこのサービスをフル活用してより質の高いサービスサイトにするのだ、という事業としての大志があったため、なんとか立ち上げまではこぎつけた。また、すべからく、Think Big Start Smallの発想で推進をしたものの、目下、盛り上がっている3割のサービスは、どういうわけか開始当初から大きな盛り上がりを示し、そのメンテナンスや拡充にどうしても時間を割くこととなってしまった。結果、7割のサービスは「本来の意図や戦略とは無関係に、目の前にある仕事をさばくために、7割のサービスがほったらかしになってしまう」ということになった。

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企業によっては、潤沢な人材(財)計画をもって、すべてのサービスラインに担当者を配置した場合はこのようなことは起こりづらい。しかし、現実にWebサービスを展開する数多の中・小規模の事業体では、常に最小のコストで、最大の効果を出すことが求められます。そんなに簡単に人を増やせない、というのが実情とされている。

この結果、流行らない、盛り上がらないサービスは自然と優先順位が下がり、リソースが割かれなくなり、ますます盛り下がって、やがて閉鎖することになる。

つまり、企業が本気で推進するWebサービスは、立ち上げてたちまち流行らせられるかが極めて重要であるということ。鳴かず飛ばずなら、早々に見切りをつけて次のサービス展開を考えるのが賢明というもの。間違っても、「そのうち徐々に流行るさ」なんて呑気に構えないことだ。その構えをしている間にも、様々なサービスが立ち上がり、あっという間に貴方や現場担当者の時間と労力は一杯になってしまう。呑気に構えてしまったサービスに「さぁ、そろそろやろう」などという意識が二度と働くことはないのだ。残念ながら。

*とある実話をベースに、自分の考えを整理するためにエントリーをしました。違う視点の異なるケースなどがあればぜひご紹介ください。勉強させていただきます。

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