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もしも洞察力があったなら……。

サバイバルプログラムのスイッチが入るとき(勝手編)

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企業の社内コミュニケーションは、1)増収増益、2)減収減益、3)増収減益、4)減収増益の時々で傾向が変わるそうだ。1)は活性化している状態。情報が流通し、万事うまく行っている。(または、業績が順調なので、多少のまずいところも気にならない)。2)は最悪期で、コミュニケーションは鈍化して、情報の流れが極めて悪くなる。3)と4)が曲者で、「内部批判が強くなる」というもの。声の大きい部門が自部門を正当化し、他部門を批判する。一見コミュニケーションが行われているようだが、課題解決のための対話ではなく、一方的な批判に終始してしまうこともあるという。

そんなことを念頭に、再び「変革を定着させる行動原理のマネジメント」に関連して書いてみる。

著者は、急成長した会社に見られがちな現象として、社長と社員の距離が遠くなり、よりどころを失い始めた社員がどのような行動をとるのか、ということについて解説をしている。社員は、会社から何を求められていて、何が評価されるのかがわからなくなると、薄氷を踏む思いで歩かざるをえなくなるという。自信喪失にさえ陥ると。

こうしたよりどころのない状態がずっと続くとどうなるでしょうか?

・自分の成果に結びつかないことはしなくなる
・人に協力しようとしなくなる
・派閥やグループが形成される
・インフォーマルネットワークで、噂話が横行する
・不平不満を言う
・気に入られようとゴマをする
・誰かの足をひっぱるような行動を取る

どれも、とても建設的とは言えない行為です。しかし、生き残るために、自然と組織に発生する行動なのです。全体を生かそうとするのではなく、自分だけが生き残ろうとする。このような動きを「サバイバルプログラム」にスイッチが入った状態といいます。

「変化を定着させる行動原理のマネジメント」204ページより

この章を読んで、ふと思い立ったのは、今の日本そのものである。私たちは日本の未来に期待を抱き、リーダーたちに数多のことを委ねているのにもかかわらず、五里霧中ではっきりしない、「この船の行き先」。私たちは今、自分たちだけが生き残ることに必死になっていないだろうか。同じ日本の仲間のことをどれだけ考えているだろうか。

日本のリーダーたちは、一時でも長く、多くの国民と対話をし、行き先を示し、「一緒にあの島まで漕ごう!そうすれば、必ずもっとよくなる。」などとコミュニケーションをもっとしてほしいと思う。そういった覚悟や約束事を示すことによって、こうしたコミュニケーションを人が動く力に変えることができる。そして、鈍重な私(たち)は、もっさり、もっさり、とだが、動き始めるのだ。すごくそう思うのだ。

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*個人的意見です。

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