変化の疑似体験。腕時計を右手にはめて、1ヶ月をすごしてみた。
バンコクで実施された会議から帰国して1ヶ月。研修の初日にファシリテーターが手を掲げ、「さぁ、これから自らに変革を起こしたい人たちは、時計を、反対の腕につけてみよう。」と号令をかけました。受講者は、その意味をきちんと理解したくて、もちろんそれに従ってみます。私は、左利きで、その利き腕に時計が。それを右手首に付け替えます。すると、うーん。なんともいえない違和感が。
ファシリテーターは続けます。「どうだい?反対の腕に時計をはめたら、違和感があるでしょう?落ち着かないでしょう?変化とは、そういうもの。始めは違和感がつきまとうが、しかし不思議なことに、やがて慣れ、そして、その変化自身が当たり前になってくるのです。」
なるほど、変化には違和感がつきものだということを体感させています。
さて、ハードなカリキュラムをこなし、その翌朝のこと。ファシリテーターは皆に向かって声をかけます。「皆さん、今朝は腕時計はどちらの手に?私を見てご覧なさい。いつの間にか元の腕に戻っている!長くやってきたこと、習慣とは、無意識に変えることはできないのです。私も同じ。だから、強く意識して、変化に取り組んでください。」と。
私はその時、右腕に時計をしていました。つまり、おそらく、変化があったのです。
そして、一ヶ月。未だに、右腕に時計をはめています。実は、朝、起きたときに、意識して右腕にはめるようにしています。何度か、無意識で反対にもどってしまったことがありましたが、それに気がつくたびに、やはり付け直していたのでした。
変化を心身に定着させるのは容易ではありません。しかし、意識することから始まるのだ、無意識で変化はできないのだ、と脳裏によぎらせながら、こんな些細なことですが、毎日取り組んでいたのでした。ちょっと大げさですが、腕時計を付け替えることは、変化という題材のメタファーです。そして、こうした些細なことから、変化が自分の中に沸き起こり、次第に広がっていることを実感しています。
あ、これはククルス・ドアンの島(四方山話)系かな?