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もしも洞察力があったなら……。

未来企業に向けての「変革の可視化」--不確実性の説明責任とは

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IBMビジネスコンサルティングサービスのパートナー・常務取締役 金巻氏が、世界の企業トップ1130名に聞き取り調査をした「Global CEO Study 2008--The Enterprise of the Future」(未来企業)に関する説明会をブロガー向けに主催されていたので、参加してきました。
(やや長文です。)

この調査は対面形式で行われたようで、20022004年、2006年と続いて今回で3回目とのこと。調査した項目(一部)は次の通り

  • 必要とされる変革の大きさと達成度
  • 事業に最も影響を与えると考えられる外部要因はどのように変化してきたか
  • 新興国市場の拡大および先進国の成熟化について
  • ネットワーク顧客層について
  • 企業の社会的責任への要求
  • グローバリゼーションをさらなる事業機会と捉えるには何が重要か
  • グローバルインテグレーションの障害と実現方法

このGlobal CEO Study 2008では、イノベーションのサイクルが近年早まっているという考察。従来はCEOが就任して一世一代の事業として改革をリードし、それは1デケード(10年)持つとされていたが、近年は経営環境の変化が著しく、2.5年から3年ほどで次の変革を必要とされる。つまり、どんなイノベーションであっても継続性を持たなければ100点満点とはいえない、その満点を取るためにはイノベーションの仕組みが必要というもの。

また、「未来企業」を創るための変革を5つの視点で分類をしている。その未来企業は・・・

・変化の早さを機会と捉える
・顧客の想像を超える
・世界中の優れた能力を活用する
・ビジネスの常識を破壊する
・社会問題に誠実に取り組む

のいずれに当てはまるか。

それぞれに経営イノベーションに関わる重要な示唆がありました。ふと、企業が変革を求めている場合に必要と言及がなされた、「イノベーションは、不確実性を武器とすることから始まる」という一言にとても惹かれたので、質問をしてみました。

私:“ロジカルな経営管理が行われている事業体で、イノベーションの要素である不確実性の説明責任をどう実践すべきか?”

回答の概要:“不確実性というのは未来を創るための武器ではあるが、まずは実践し、事前に定めたマイルストーンに従ってモニタリングを行い、コックピット(オラクルではダッシュボード)管理をし、問題が現れた場合に、速やかに継続するか止めるかを意思決定するべき。実践にあたって、その事業の不確実性を確実にするという矛盾のための説明に時間とリソースの多くを費やすべきではない。”

なるほど。

今、同じ視点でx2.0(現在からのビジネスの変革)を見、あるいは実践していることが、少しずつだが継続的なイノベーションになりつつあることを確信したり。

議論は盛り上がり、予定時間をオーバーしてしまいました。が、話題が「IT&コミュニケーションと人の未来」のようなものに移ったとき、最後に思い切ってコメントをしてみました。

020708_2022“かつてドン・タブスコットがデジタルチルドレンで説いたような新世代の登場はもう現実である。ちょっと(2号)まえの日経コンピュータには、ちょうど大学を卒業したての20代はデジタル・ネイティブと呼ばれ、Web2.0のあらゆるツールを、フェイス・トゥ・フェイス(対面)のコミュニケーションと同じように、当たり前のものとして使いこなしているという記事が出ていました。きっと、そんな世代が創る未来企業は私たちの想像をはるかに超えるものになるでしょう。”(だから、ワクワクしている。)

これを受けて、一緒に参加されていた平尾氏が、「かつてこんなことを聞いたのを思い出した。あるCEOがイノベーションに必要な事業を立ち上げる際に、“よし、その事業は15歳の人間に任せよう。”と言ったとか。イノベーションには新しい着想を持つ世代が欠かせない。」

金巻氏は「その場合にはCEOやシニアマネジメントは、彼らを管理するのではなく、きちんと導くためのリーダーシップを発揮するべきですよね!」と締めくくりました。

傍白--エウリカ。(Eureka)今日の発見。
ブロガーは、情報発信をするためにブロガーであるのではなく、情報を集め、学び、スキルをあげるために何かを書き続けるのだー。

最後に、未来企業へ向けてのチェックシートをご紹介して、本稿を終えます。

  • 市場の変化を機会と捉え、戦略にそれを反映しているか
  • 変革を試行錯誤(実験)ととらえ、人材育成の一環としてそれを行っているか
  • 常に、他業種の成功事例を分析し、自社への適応可能性を検討しているか
  • 異業種連携を、能力(人材)の調達と位置づけているか
  • グローバリゼーションを世界中の企業との連携モデルとしてとらえ、地球規模での能力ポートフォリオの最適化により、変化を機会としてとらえているか
  • 変革の運動化(TQCのような)、継続のために、その仕組みづくりが重要であるという認識を持っているか
  • 変革の状況の可視化が行われているか

勝手に関連リンク
シロクマ日報--CEOが顧客に教えを請う時代

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*本文中に引用しているコメントは必ずしも実際の発言の一語一句と一致しません。文意、趣旨を載せております。あらかじめご了承ください。

Comment(2)

コメント

IBM 広報 栗原

先日は、遅い時間にもかかわらず、ご参加いただきありがとうございました。会の終わりも遅くなり申し訳ありませんでした。皆様、議論が白熱されたので、途中で止めるタイミングがつくれず・・・。
企画者でしたが、皆さんの議論を大変興味深く、私自身楽しんで聞かせていただきました。
これをきっかけに皆様とのコミュニケーションが広がっていけばと思います。
今後ともよろしくお願いいたします。

栗原様
先日はお世話になりました。
大変勉強になりました。また面白いものがありましたら誘ってください。

今後ともよろしくお願いします。
玉川

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