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ソーシャル・メディアから流出しやすい社内情報

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『労務事情 2011 10/15号』でソーシャルメディアにかかわるトラブル対応が特集されています。
人事部向け定期刊行誌だけあって、社員のソーシャルメディア利用に関する対応に関して非常にシンプルかつわかりやすく書かれています。
今や社員のソーシャルメディア利用教育は、企業人事部の重要な業務となりつつあるということなのでしょうね。

さて、この記事の中では、ソーシャルメディア利用のリスク、社員への規制の方法、ソーシャルメディアポリシーの策定と公開、社員のソーシャルメディア利用の監視などについて具体的に説明されているのですが、非常によく整理されている事項がありましたので紹介します。

社内情報に対する認識の違い

社内情報に関する重要性の認識は社員によってバラツキがある。

<重要性が高いと思っているもの>
・顧客情報(データベース)
・取引価格情報
・仕入先リスト
・技術情報
・製造ノウハウ
・研究・実験データ

<重要性が中程度と思っているもの>
・プロジェクト情報
・製品開発情報
・人材募集情報
・M&A情報
・業務提携情報
・役員の行動

<重要性が低いと思っているもの>
・顧客の来店情報
・営業活動情報
・人事関連情報
・給与・賞与情報
・セクハラ・パワハラ
・他の社員のプライバシー

(一部表現を判りやすく変更しています)

社員がソーシャルメディアに発信する際に、重要と思っている社内情報については、書き込まないように注意するため、流出する可能性は低く、重要性が低い、または中程度と思っている社内情報は、『つい』 ソーシャルメディアに書きこんでしまう可能性があるという。

確かに過去のソーシャルメディア不祥事では、来店した芸能人のプライバシーを書いてしまったとか、有名人を中傷する表現を書いてしまった、または社内の人間関係や労使関係のゴタゴタをつぶやいてしまった等が多いように思います。

この傾向も踏まえた上で、ソーシャルメディア利用規則、教育およびソーシャルメディアポリシーの策定を行なっていくべきでしょうね。
また、ソーシャルメディアポリシーとプライバシーポリシー、情報セキュリティポリシーが矛盾せずに判りやすく連携できる運用をつくることも大切だと思います。 大企業の場合、異なる部署でそれぞれを対応しているケースがあるので、このあたりが一番難しいかも知れません。

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