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雇用の保護主義

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世界各地で雇用の保護主義ともいえる、外国人の雇用の削減が広がりつつある。

景気後退によるリストラや倒産による失業者が増加する中、外国人を雇用する前に、まずは自国民の雇用を確保すべき、という流れである。

-----Yomiuri Online 3月23日からの抜粋-----

 世界同時不況で各国の失業率が高まる中、自国民の雇用を優先し、外国人労働者の受け入れを制限する「雇用の保護主義」が台頭しつつある。

 英国東部・・中略・・従業員が「英国の仕事は英国人労働者のものだ」と書かれたプラカードを手にデモ行進を繰り広げ、ストに突入した。発端は、精製所の新規プロジェクトにイタリア人とポルトガル人労働者の採用を決めたことだ。

 英紙フィナンシャル・タイムズが欧米6か国で3月上旬にかけて行った調査では、英国やイタリア、スペインなどで8割近い人が「失業した外国人は出て行ってほしい」と答え、「仕事を奪う外国人」への警戒感が強まっている。

移民を積極的に受け入れてきた豪州は今月、8年ぶりに受け入れ目標を下方修正し、熟練労働者を現行の13万3500人から14%減らす方針を決めた。

 インドネシアやネパールなどから200万人を超える外国人労働者が働くマレーシアも1月、電機・電子産業などの急激な業績悪化を踏まえ、サービス、電機・電子、繊維の3業種でビザの発給や更新に応じないことを決めた。

 オバマ米大統領の発言・・(中略)・・「看護師を輸入しなければならないという考えは理解に苦しむ」――。大統領は5日、医療問題を巡る議員らとの会談でこう述べ、50万人以上が見込まれる看護師不足の問題は、米国内で解消すべきだとの考えを示した。


 「外国人労働者はバッファー(雇用の調整弁)に過ぎないと認識している」 シンガポールのリー・シェンロン首相は昨年12月、外国人特派員との会合で言い切った。好況時に労働コストの安さが重宝された外国人労働者は、未曽有の経済危機で漂流を始めた。

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特に自由化が進んでいる欧州において、外国人労働者の排斥の動きが盛んなようであるが、派遣切りや正社員切りのニュース/議論が毎日のようにマスメディアで流れている日本では、何故か未だ外国人雇用削減の動きのニュースは見かけない。

ざっくりとした数字であるが、日本で働く外国人の数は、就労VISA取得等の合法が80万人、加えて不法労働者が20万人の合計100万人らしい。

日本人の就業者数は、2009年1月統計で6300万人、完全失業者数は270万人というから、外国人労働者は全体の1.5%を占めていることとなり、予想よりも相当多くて少なからず驚いた。少子高齢化が進む中での外国人の雇用奨励が重要であることは理解はしているが、あえて比較してみると、270万人の失業者がいるが、100万人の外国人労働者もいる、という構図である。

さらには、BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)やシステム開発や維持等のオフショア化のように、業務そのものを中国、インド、ベトナム等に「外出し」してしまっているケースも相当数あるはずである。

需要も供給もグローバル化が進んでいる現在における景気対策は相当難しそうであり、各国でのある程度の保護主義化は避けられそうもない状況となってきているようだ。


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