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私は会社を経営する傍ら、これまで採用の“現場”を見て、さまざまなアドバイスを行ってきました。また、学生のビジネススクールの運営にも関わっており、最近の学生の生の声にもたくさん触れています。本ブログでは、「いまどきの採用・教育・若者」と題して、これまでの経験で得たノウハウを少しでも現場で活かせる為の情報発信を行っていきます。

意外と見落としがちな面接官のスキルアップ

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採用活動において欠かすことが出来ないのが面接です。
当たり前のことですが、その面接を行う面接官によって、学生が感じる、その会社のイメージが大きく左右されます。
そうした重要な役目を担っている面接官ですが、そのスキルアップに関しては意外と見落とされがちです。
勿論、面接官のスキルアップを重要視している企業もありますが、実際にはスキルアップにまでなかなか手が回っていないのが現状です。

今回は面接官の役割を再認識いただくとともに面接官に求められるスキルについて考えていきたいと思います。

●採用成功のカギを握る面接官

採用成功のための3つのポイントである「母集団を増やす」「選考途中での離脱を減らす」「内定辞退を減らす」のうち、「選考途中での離脱を減らす」ことに大きく影響するのが面接官のスキルです。

面接官のスキルによって採用状況は大きく変わります。
にも関わらず、そもそも面接官のスキルアップをあまり重要視していなかったり、重要視していたとしても具体的に手が回っていないといった企業がほとんどです。

面接官は面接を通して学生のありのままの姿を見出すとともに『学生に自社に入りたいという気持ちを抱かせる』という重要な役割を担っています。
特に後者の自社への魅力づけはとても大切です。
しかし、その魅力づけに関して面接官任せになってしまっている企業が非常に多いと感じています。

「面接官任せで何が悪いの?」という人もいるかと思いますが、面接官に任せるということは会社の魅力付けに関して、その人の主観、感じ方に任せるということです。
主観、感じ方は人によって違いますので、面接官によって伝える内容が違ってきてしまいます。
本来、絶対に伝えなければいけない会社の魅力が伝えられない可能性も出てきてしまいます。

学生は会社説明会から最終面接までに出会う数人の言葉や印象から会社のことを理解、判断していきます。
人によって言うことがあまりにも違ってしまっていては、学生も戸惑いますし、この会社には一体感があまり無いのでは?と疑問・不安を抱いてしまいます。

まずは会社としての採用方針や自社の魅力・改善点等を面接官全員で共有することで、面接官によって言うことが違うといった状況を起こさないようにすることが大切です。
勿論、すべて同じ言葉で伝える必要はありませんが、会う人、会う人がその人の言葉で同じことを語っていることで、学生に「この会社は一貫性のある会社だな」ということで、信頼感・安心感を持ってもらうことが重要です。

●面接官に求められるスキルとは

面接官に求められる役割は大きく以下の6つだと思います。

・学生のありのままの姿を引き出すこと
・自社に必要な人材かどうか評価、判断すること
・自社の魅力や強み、改善点などをきちんと伝えること
・採用活動の次のステップへとつないでいくこと
・学生に自社に入社したいという気持ちを起こさせること
・採用したい学生に入社の意思決定を促し決断させること

こうした役割を果たすためのスキルは人によって差があります。

■しっかりと学生の話を聞いて、自社の魅力や強みを伝えていく中で、欲しい人材かどうかを評価、判断していく。
■そして欲しい人材であれば入社したいという気持ちを起こさせて固めていく。

ごく当たり前の面接の流れであり、採用の流れですが、これをきちんと実施していくためにはトレーニングが必要不可欠です。
トレーニングによって、面接官の採用活動に関する基本的な考え等が統一されますし、個々のスキルをアップさせることが可能です。
弊社ではこうした『面接官トレーニング』も行っていますので、お気軽にご相談ください。

●最終面接を担当する人のスキルアップが重要

実は面接官トレーニングが一番必要なのは会社説明会や1次、2次面接を担当する面接官ではなく、最終面接を担当する役員クラスの方や社長といった場合が少なくありません。

よくあるケースとしては学生の言うことをほとんど聞かず、自分の自慢話に終始してしまったり、学生との面接中に足を組む等、面接に臨む態度がよくないといったケース等です。
役員クラスなので、採用担当者もなかなか意見できないというのが現状のようです。

前述した6つの役割を果たすための面接官のスキルアップはとても大切です。
中でも「欲しい人材に入社の意思決定を促し決断させること」に大きく影響するのが最終面接です。
最終面接の結果によっては欲しい人材を逃すことになりかねません。
ので、その最終面接を担当する役員クラスの方に(こそ)面接官トレーニングが一番必要なのかもしれません。

採用方針や求める人材像などを話し合って、全社員で共有するのはもちろん、面接に携わる人すべての意識を統一し、全社を挙げて採用活動に取り組んでいくこと、地道なことではありますが、こういうことの積み重ねが採用成功に結びついていくのです。

そのためにもまずは面接官トレーニングをしっかりと行い、面接官のスキルアップを図っていくとともに、(上記が該当する場合)役員クラスの方の意識を変えていくことをお勧めします。

以上、何かのご参考になれば幸いです。

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