オルタナティブ・ブログ > 経営者必読! いまどきの採用・教育・若者 >

私は会社を経営する傍ら、これまで採用の“現場”を見て、さまざまなアドバイスを行ってきました。また、学生のビジネススクールの運営にも関わっており、最近の学生の生の声にもたくさん触れています。本ブログでは、「いまどきの採用・教育・若者」と題して、これまでの経験で得たノウハウを少しでも現場で活かせる為の情報発信を行っていきます。

自社のことを学生にしっかり伝える「会社説明会の設計の仕方」

»

2016年採用もナビサイトがオープンし、会社説明会を開催する時期になってきました。
しかし「説明会を開催したけれど、学生からの質問もなく終わってしまった」「いろいろな情報を参考にしながら、内容を工夫しているが、今一つ盛り上がらない」といった声を聞くこともあります。
ではどういう説明会を行えば、学生にしっかりと伝わるのか。
今回は、会社説明会の設計の仕方についてお話したいと思います。

●会社説明会の軸となるプログラムは基本、どの会社も変わらない
一般的な説明会の流れを考えてみると、主な内容は
・トップによる「事業展望や求める人材像」などの話
・事業内容、教育研修、キャリアステップといった会社の概要説明
・若手社員の話
・質疑応答
というのが基本的ですし、この流れはどの企業も大きくは変わりません。

そうした中で、「成功する説明会」「失敗する説明会」に分かれてしまうのは、なぜでしょうか?
それは、ちょっとした違いだと思います。

例えば、学生に興味を持たせ、より理解度を高めるために、パワーポイントで作成したスライドを使用したり動画を使ったりするのは、今では当たり前になっています。
スライドをいかに見やすくわかりやすくまとめるかが、大きなポイントになります。

説明会用のスライドを作るのは採用担当者の仕事、ではありますが、かと言って見にくくわかりにくいスライドでは意味がありません。
外注含め、スライド作りの上手い方にお願いするのが得策です。

また、若手社員の話では、いかにして働いている姿を学生自身に具体的にイメージさせられるかがポイントであり、話の上手い社員の人選やそこでどんな話をするのかが重要になってきます。
ので、話を補足する「仕事中風景」動画の使用も効果的です。

各社、基本的な流れは変わらないからこそ、細かい点にどれだけ工夫をし、気を配れるか。
それによって、結果に雲泥の差が生まれてくるのです。

●自社のオリジナリティを出すには「求める人物像」に立ち返る
説明会を工夫しようと他社のプログラムを参考にしたり、さまざまな情報をもとに真似をしてみたりする担当者もいらっしゃいます。
いろいろな事例などを参考にすることは悪いことではありませんし、そうした努力は大切です。

しかし、重要なのはそのプログラムが自社に合っているかどうかです。
オリジナリティのある説明会とは、単に他社と違った内容にすることではありません。

では、どうすれば自社のオリジナリティを出すことが出来るのか。
それを考えるには、まず、欲しい人材はどういう人物なのか、いわゆる「求める人物像」を明確にすることです。

その「求める人物像」を兼ね備えた学生達にはどういう話をすれば、心に響くのかをきちんと整理していけば、何を伝えるべきかが自ずと明らかになってくるはずです。
後はそれに即したプログラムを考えていけばいいのです。

例えば、わかりやすい例でいきますとコミュニケーション能力の高い学生が欲しいのであれば、コミュニケーション能力が高い人材はおおむね「人と話をしたりするのが好き」な傾向がありますのでグループワークなどのプログラムを取り入れ、他人と議論させる時間を取ることにより、会社説明会での満足度を上げる、といった方法があります。

また、あるテーマについてディスカッションをさせて、本人の意見はもちろんのこと、他人の意見に対する反応を見て、選考の参考にするといった方法もあるでしょう。

会社説明会ですので、多くの学生に自社を理解してもらうことは大切です。
でもそれによって、学生の印象に残らないのでは意味がありません。

自社が求める人物像の素養を持った学生の心に響く説明会。
それが、自社独自のオリジナリティある説明会なのです。

●しっかりとしたリハーサル&事前準備が「成功する説明会」を生む
「説明会はリハーサルが大切です」と言うと「忙しいから難しいし、ぶっつけ本番で大丈夫」という方もいらっしゃいます。
そうした場合、失敗に終わるケースが結構多いように思います。
というより、説明下手な人ほどぶっつけ本番でやりたがる傾向があるように思います。

実際にあった例ですが、トップが学生を前にして気持ちが盛り上がってしまい、時間をオーバーしてしゃべり続け、その結果、終了時刻が30分以上遅れてしまいました。
そのトップは満足気で「当社の想いを伝えることが出来た」と感じていたようですが、学生の印象はまったく逆でした。

時間通りに終わえられないのはプレゼン力、時間管理能力が無い会社、と判断してしまいます。
まさに自己満足による失敗の典型です。

きちんとリハーサルをして、タイムキーパーもつけて、トップだろうが誰であろうが、時間通りにそれぞれが伝えるべきことをきちんと伝えることがとても重要なのです。

また説明会終了後に「アンケートを記入し終わった方から順次退場してください」としている企業もありますが、これもよくありません。
次に予定がある学生は急いでいるので、簡単に書いて終わりです。
10分程度のアンケートの記入時間も説明会の時間内と考えて設計すべきだと思います。

当日の準備・確認も大切です。
外部会場の場合、特にマイクや照明の状態は必ず事前チェックしましょう。
マイクの状態は事前チェックするのですが、なぜか、照明の事前チェックはやらない会社が結構多いです。
事前確認をしないまま、スライドを上映するために電気のスイッチを切ったら学生がメモを取れないぐらい暗くなってしまって、慌てて電気をつけ直した、といった話は割とよくある話です。
当日も細心の注意を払って準備することが成功に結びついていくのです。

要は、何のために、誰のために会社説明会を行うのかをしっかりと考えて設計し、その設計通りにきちんと運営するための事前準備を行うこと。
それが会社説明会を成功させるポイントなのです。

以上、何かのご参考になれば幸いです。

こうすれば成功する会社説明会

個別無料コンサルティング

Comment(0)