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【速報】宝くじを当てるような目標を達成するには? ノーベル化学賞受賞後の日本での最初のご講演だそうです。根岸英一先生。

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【速報】宝くじを当てるような目標を達成するには? ノーベル化学賞受賞後の日本での最初のご講演だそうです。根岸英一先生。

今日(2010年11月21日)を含む3日間で、「サイエンスアゴラ」という科学のお祭りがありました。
今年で5回目だそうで、私自身が出かけたのは、3回目?くらいと思いますが、今回も楽しませていただきました。

その中での、最終日のセッションでのご講演です。

成田にご到着されて、そのままお越しになり、受賞後の日本での最初のご講演ということでした。

かいつまんで、2点、書かせていただきたいと思います。科学者ならではの言いまわしですね。

【1.人生を豊かにするもの】
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人生を豊かにするものは、Happiness ですね。そのために必要なことは、
1. 健康
2. 家庭
3. 仕事
4. 趣味
ですね。仕事と趣味が同じになったとき、人生は豊かになると思います。
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【2.大きな夢に向かうには】
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ノーベル賞を取ろうと思ったら?
確率論的に考えるとこうなります。20世紀(ノーベル賞が始まってから)に生きた人間の数は、10^7人(100億人)程度ですね。この中で、ノーベル賞を受賞した人数は、700~800人。10^3 (1000)人のオーダーですね。そうすると、確率は、1/10^7で、つまり、1000万分の1ですね。宝くじを当てるような確率です。

では、こう考えたらどうでしょうか?
「1/10が7つある」と考える。
例えば、自分の場合には、

名門の高校に入る。
名門の大学に入る。
アメリカの大学に入るために奨学金に応募する。
その中での、毎月のテストで良い成績を取る。

これらの行為が1/10の確率で、どんどん次のステージに登っているとしたら、いずれ、ノーベル賞に辿りつけるかもしれませんね。
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という二つのお話が印象に残りました。
また、最後に、今後の課題(夢)についても語られていました。

まず、最初の話題。

根岸先生のご講演(ご到着)の前のパネルディスカッションで、毎日新聞の元村さんが、東京ビッグサイトでの新卒の就職イベントで、学生相手にパネルディスカッションを行った際に、自分のやりたいことを仕事にしているゲームクリエイターさんの話がでたそうで、そこでの学生からのアンケートに「好きなことを仕事にしていいんですね」という感想がかなりの数書かれていたことに愕然としたそうです。

それにも関連していると思うのですが、やはり人生は一度きりなので、やりたいことをやるという姿勢は、いつまでも持ちたいということですね。

以前のブログで、「長い休みからスムーズに仕事に復帰する方法」というのを書かせていただきましたが、それにも通じるような内容だったと思います。

そこでは、公私混同という言葉を書きましたが、自分の好きなことを仕事にできたのであれば、公=私 なんだと思います。もし、そうできなかったとしても、公と私の間をつなぐような何かを入れられれば、だんだんと、公が私に、私が公に近づいてくるのではと思います。あまり、面白くないと思っているような仕事でも、徐々に面白くなっていくのではないでしょうか。

2つ目の話題。

要は、大きな目標に向う場合に、小さい目標をもって、それを少しずつ達成していけばいいということですね。
目標という積分に向かって、日々の微分を重ね、積分を達成したら、その積分が再び微分となって、その積み重ねが、目標に届くという、よく耳にするようなことの科学者流の言い方だと思います。

バレンタイン監督の話

何かの雑誌で読んだのですが、プロ野球の千葉ロッテマリーンズの元監督のバレンタインさんの言葉だったと思います。
試合で、勝ち負けは操作できない。できることは、ピッチャーなら、今投げる一球をコントロールよく投げようとすること。バッターなら、今来る球をしっかり打ち返すこと。つまり、目先の1つ1つのことをやっていくしかないのだと。

この文章にも通じるものがあると思います。

以前に、森川さんが「なぜ偉い人のいうことは「ありきたり」なのか?

というブログを書かれていたことも思い出しました。

今回の2名の日本人の受賞により、物理、化学共に7名ずつになりました。(物理の7名の内、南部先生はアメリカ国籍取得により、日本人としてはカウントしないようですが、ここでは入れさせていただきました)。

ノーベル賞は主に基礎科学(最近では応用も増えました)に対して贈られる賞ですが、この賞での内容が微分となって、積分にもっていくことができれば、大きなビジネスチャンスになるかもしれません。

以前に、「ビジネスの種の宝庫」というブログを書かせていただきましたが、そういうことなんだと思います。

ちなみに、ご紹介させていただきましたサイエンスアゴラは、日本科学未来館、東京国際交流館、産業技術総合研究所(新交通ゆりかもめ の 船の科学館駅と テレコムセンター駅の間)で行われております。

ということで、今日は、引用ばかりのブログで恐縮ですが、せっかくの機会でしたので、書かせていただきました。

最後にもう一つ、根木先生の明言を「舞台は世界」。

P.S. いつも思うことではあるのですが、ノーベル賞受賞の後に、後付け的に、日本国内での賞の受賞があるようです。
自分たち自身で、しっかり評価できねばと思わずにはいられません。
ミシュランガイド、債権の格付けなど、
誰かの評価を鵜呑みにするというのは、いただけません。

良いものはよいと自分で勝手に決めればよいと思います。
自分達をまだまだ客観的に見ることができていないのが日本なのかもしれません。

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