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ライフワークとしての音楽を考えていきます

目立たなくても真ん中が大事

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ビオラという弦楽器があります。

見た目はバイオリンそっくり。
バイオリンよりサイズが一回り大きいのが特徴です。
オーケストラですと、バイオリンとチェロにはさまれたところで弾いています。
バイオリンに似ているため、ずっとバイオリンだと思いこんでいた方もいました。
バイオリンやチェロに比べると地味な楽器で、ソロの有名曲も他の楽器に比べると少ないので、単独で演奏される機会があまりないようです。

実はビオラという楽器、単独よりも、室内楽やオーケストラのような何人もの人が集まって演奏するような音楽でその力を発揮する楽器なのです。

ビオラはバイオリンのメロディとチェロやコントラバスの低音にはさまれた内声を受け持ち、周りの音を聴きながら、ハーモニーを形作るアンサンブルの主役のような役割をしています。

かのベルリン・フィル芸術監督サイモン・ラトルは

「ビオラ抜きには、オーケストラは成り立たない。
ワインに例えれば、ヴァイオリンがラベルで、チェロがボトル、そして、ヴィオラが肝心の中身」

とまで言い切っています。

ベートーヴェンは子供の頃、オーケストラでビオラを弾いていました。
また、J.S.バッハも室内楽では好んでビオラを弾いていたようです。
皇太子殿下のビオラ演奏も有名ですね。
「地味ではあるが縁の下の力持ちとなり、オーケストラ全体を支えることを学んでほしい」
という天皇陛下、美智子皇后のご意向もあったそうです。

サッカーでいうと「ボランチ」(守備的MF)がその役割にあたると思います。
ボランチはゲームをつくる重要なポジションです。

FWのように自らゴールしてヒーローになるわけでもなく、GKのようにスーパーセーブを連発して守護神などと神格化されるわけでもないのですが、強いチームに名ボランチなくしては語れません。

野球ではファースト、ショート、セカンド、サードなどの内野手。
特にビオラ的なのはショート。
ここはバッティングは二の次でも、職人がほしいポジションです。

そして、合唱でいうとビオラにあたるのは、アルトです。
ソプラノと男声にきめ細やかに気を配りながら豊かなハーモニーを作るいわば響きの要となるのです。
この、アルトという声部、一度その面白さが分かってしまうとやめられなくなってしまいます。

私の行っている「合唱チームビルディング」では、特にアルトのパートの方々には、響きの要であることを理解して担当していただいています。

ところで会社組織のビオラはどこなのでしょうか?
その方々が活躍できる会社はきっと素晴らしい組織なのでしょうね。

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