良いチームとは?良いチームになるためには?
良いチームのあり方を、「ほぼ日」糸井重里さんが「週刊 東洋経済」2015年4/18号で語っておられ,なるほどと思いました。
ほぼ日で働きたいという人が多く、1500人の応募者の中から5人を選ぶといった状況なのだそうです。そこでの人を選ぶポイントに良いチーム作りのヒントがあるようです。
・・・・(以下引用)・・・・
友達の助けになる人。で、自分が何かを面白くしたい人。前に向かうベクトルと、横を見ている視線のベクトルと両方ある人。うちで、荷物の運び込みで前に車が止まると、みんなワーッと行きますよ。そのときに行かない子というのはやっぱり困るんですよ。
普通の会社って困っている人がいても見過ごせるんですよ。もっと言えば、自分がちょこっとできると思っているやつって、ほかのできるやつの仕事の足引っ張ったりできるんですよね。隣の一人は助けないけど「僕は1000万人助けられる」みたいなことを平気で言うやつに会いたくないんですよ、僕。
だからうちはいわば群れをなす生き物の会社だと思う。鰯ですよね。それが集まって、強い動物のふりをしている。あんまり俺は一匹狼です、みたいな人が来てもね。
個々の力は多少足りなくても、チームとしてパフォーマンスが出せればそれで十分。「がんばれ!ベアーズ」が大好きなんですよ、僕。
・・・・(以上引用)・・・・
鰯の群れのトルネードをチームの形に表現しておられて、納得してしまいました。
これは、音楽のチームでも同じです。
オペラのソリストはなかなか合唱は出来ないものです。
「私の声を聞いて」「私の声はすごいでしょう」と主張するのがオペラのソリストだからです。
ソリストの知人で「合唱は好きではない」とおっしゃっている方も多いですし、もし、合唱に参加しようと思ったら、声を合唱向けにコントロールしなければなりません。
もともとソリストの実力があっても、人とアンサンブルするために、音をコントロールしている演奏家もたくさんいます。
例えば「サイトウ・キネン・オーケストラ」。
桐朋学園の創立者、斎藤秀雄先生の弟子である小澤征爾さんと秋山和慶さんを中心に、国内外で活躍する斎藤先生の教え子たちが結集したオーケストラです。その一人一人はソリスト級の演奏家。オーケストラの演奏でソロの音ではなく、みんなと溶け合う音色をコントロールして演奏しています。そこから、不可能を可能にするような素晴らしい芸術が生まれています。
鰯の群れに入るから、個性を殺せというわけではなく、自分の力を使うことでチームが良くなり、一人の力では不可能な素晴らしい仕事を成し遂げようとする使命感を持っていることが大事なのですね。