専門家が陥りがちな罠「こだわり」
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「ここにこだわったんですよ。すごいでしょう?」
「これは難しくて普通はなかなかできないんですよ」
「採算度外視なんです」
プロが見れば、「よくここまで出来ているなあ」と思うことでも、プロほど深い知識がなく見ている場合「どこがどう違うの?」と思ってしまうことがあります。
お客様を間違えると、どんなに良い面や強みを主張しても伝わらない場合がたくさんあるのです。
例えば、クラシックの音楽会で難曲を一生懸命演奏しても、アンコールで軽く弾いた「子犬のワルツ」のほうばかりお客さんに褒められて落ち込んでいる知人のピアニストもいました。
普段クラシックになじみのない方々がお客様になる場合、やはり耳にしたことのある有名曲のほうが心に響くのでしょう。
製品(私の場合コンサルティング内容)や、講演のテーマも同じです。
「これってすごいんですよ!」
といくら専門家がうなるようなことを言っても、普段は別のことをなさっている方々をお呼びすればなかなか伝わりません。
まずはお客様の目線に立ってお話したほうが強く伝わります。
専門家とは、ともすると自分のこだわりに執着してしまいがちです。
もちろん、本物の芸術家であれば、そのこだわりを深く追求し、「素晴らしい芸術のために」分かる人だけ分かればいいでも良いのです。お客様を選べば良いということです。
より多くの方々に伝えたいと思えば、専門的なこだわりをカットしてしまうことさえあります。
お客様の声に耳を傾け、まったく違う方向から自分の目線を向けてみることが大事なことだと思っています。
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