プレゼン力はコミュニケーション能力
以前、週に一度は通っていた銀座のイタリアンカフェには、いつも季節を感じさせる大きな生け花が飾ってありました。
最近は行けていないのですが、今頃は桃か梅でしょうか。
銀座の真ん中でも自然の中のように生き生きと大胆に生けられている花を見ると、そこに爽やかな風が吹いてくるようで、難しく、厳しい仕事前でも心からほっとしたものです。
この花を生けた人は、いったいどのような思いで花を選び、作ってくださったのでしょうか。
私のように深く心の安らぎを感じている者がいたことをお伝えしたく思うほどです。
「一隅を照らす、これすなわち国宝なり」
花を生けた人は、この花のようにスポットライトを浴びることもありません。
しかし、このような仕事こそが、尊いのだと改めて思わされます。
そのような思いにふけっていましたところ、2015年2月28日日本経済新聞「しごと図鑑」にて、第一園芸フラワーデザイナーの新井光史さんの記事に目がとまりました。
「フラワーデザイナーの仕事に向くのはどんな人ですか?」
という質問に対して、
「自分の思いを語れる人です。どんな思いで花束を作ったのか、注文した人に説明して気に入ってもらわなくてはなりません。コミュニケーション能力も大事になります。」
とおっしゃいます。
自分の思いを具体的に言葉にして表現出来ることが、素晴らしい作品づくりにつながるのだとあらためて思い知らされました。
どんな職業でも,プロならば、専門用語で煙に巻くことをせずに、お客さまの立場に立って、お客さまに伝わる言葉で語り、説明できることが求めれられると思います。
それが、つまりコミュニケーション能力なのです。
昨今のプレゼンは、スペック中心で、専門用語を多用し、なかなか「自分の思い」つまりビジョンを語れるものが少ない気がします。
とくに、ある業界は「分かる人だけが分かればいいさ」という空気感になっていないでしょうか。
私は,プレゼンテーションとは、そこにいるお客さまとの、コミュニケーションではないかと思っています。