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ライフワークとしての学びを考えます。

パソコンを触らないで教える人は教え上手

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先日、パソコンの詳しい方に教えてもらったのですが、その方は「ココをこうしてコマンドキュー・・・分かった?」と、ご自分で素早くパソコンを操作してしまうので、なかなか理解出来ません。やっと分かっても、次に自分一人で同じ事が出来ないのです。
私が出来の悪い生徒ですので、「なぜこんな事も出来ないの?」という気持ちも言葉の端々に感じられ、申し訳なくて萎縮してしまい、さらに出来なくなります。


よく分かっていらっしゃる方や、上手な方というのは、自分でやってしまったほうが早いので、どうしても「自分がやってみせて」の指導になってしまうのでしょう。


「この人の指導はわかりやすい」と思えるときというのは、やってみせるのではなく、言葉で説明いただき理解できたときです。

ご自分が苦労して身につけた方というのは、出来ない人の気持ちが分かるので、わかりやすい言葉を尽くして説明してくださいます。初心者でもわかりやすく、一人になったときでも教えてもらったことを再現することが出来ます。

私が声楽の指導をお願いしている方は男性の声楽家です。

一般的に、声楽は、女性であれば、女性に習うのが良いと言われています。
しかし、男性でも、言葉を尽くして知恵を伝えることのできる方であれば、そのほうが成長が早いことが分かりました。先生とのご縁、心からありがたく思っています。

そして、そういう方というのは、将来年齢を重ねて第一線を退いたとしても、言葉と知恵で伝える力を持っているので、一流の指導者として長く活躍できるのだと思えます。

私も、以前は「やってみせて」でお伝えすることが多かったのを、できるだけ言葉でお伝えするように心がけています。

一つには、言葉を尽くしてお伝えすることで、再現性のあることをお伝えできるということ。

もう一つは、自分の問題なのだろうと思いますが、なぜか「やってみせて」をしたときの後、気持ちが悪いのです。
「私はあなたより出来るのよ」というエゴが動いているのではないかと怖くなることがあります。

実際は難しく、なかなか伝わらないものですね。しかし、言葉で表せる知恵を時間をかけて修練し、やさしい言葉で伝えることができるようにしていくことが、伝える立場のものとして大切なことではないかと思っています。

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