説得力と安心感・人柄の温かみを感じる低い声を出すためには声帯のストレッチ よく響く低い声のための『落下音トレーニング』
良く響く低い声は、説得力や安心感があり、その人の人柄の温かみや深みを感じさせるものです。
ただ、ほとんどの人は、人前で甲高い声を出しておられますし、低い声を練習してもすぐ高い声に戻ってしまいます。
理由は
(1)緊張している
響く良い声を出すためには高低関係なくリラックスが必要です。緊張により余計なストレスがかかってしまい横隔膜がしっかり使えず上がってきてしまい、十分に息が流れなくなることから、か細く響かない声になってしまいます。
(2)低い声を忘れている
事前にボイストレーニングをしていても、プレゼン資料を全く覚えてなかったり、未完成であったりするために、余裕がなくなってしまい、声を意識することをすっかり忘れています。資料をある程度は覚え、あらかじめリハーサルしておくことで回避できるようになります。
(3)低い声を開発していない
どんな人でも、少しトレーニングをすれば低い声を開発することができます。
良い低い声を出せるようになるためには、声帯の余分なストレスを除くことと、ストレッチを行うことです。
また、低い声でも、ボソボソとした響かない声では印象がよくありません。よく響かせるために高い声のときと同じ響きを作り出すことが必要です。そのためには、高い声でも低い声も発声のポジションは同じところで行います。
・ストレッチ
・響き
この二つの要素を取り込んだトレーニング方法が「ポルタメント」という高さの違う音をズリ上げたりズリ下げたりする練習です。
音のイメージは、物が落下するときの効果音のような音です。
☆☆☆ 低い声「落下音トレーニング」 ☆☆☆
1 口をあけて、息をすう
2 「はあ〜」と発声したら、切らずにそのまま「はあああああ〜」と物が落下するような雰囲気で音をさげていく
3 低い声になったら、そのまま「あ〜〜」とのばし・・・
4 そのまま、また最初の音に「あ〜〜〜」と音をズリ上げながら(音を下げたときの逆をする)戻り、その音を「あ〜〜」とのばす。
物が落下して、また戻ってくる・・・みたいなイメージで行います。
音をが下げるときに、音につられてアゴを「引いてしまう」方がとても多いですが、これをするとリラックスできなくなりますし、気道がせまくなりますから良い声になりません。
また、声を低くするときに「息を減らす」ことで低い声にしようとする方も多いですね。息の量は減らさないように。
音を下げても上げても、口の開け方、首やアゴの位置、息の流れはまったく同じに行います。
音の高低がイメージしにくい場合は、手の平を上にむけて、手を上げたり下げたりすると視覚的の高低が感じられるのでやりやすくなります。
【歌でさらに豊かな低い声を練習したい場合】
ポルタメントの音程を完全5度(ド〜ソの音程)にして、高い音から開始し、半音ずつ下げていきます。
日々繰り返すことで低い声が出やすくなり響くようになっていきます。