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ライフワークとしての学びを考えます。

ボイトレはボイトレを忘れるためにやっている

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「ボイストレーニングが上手くできないと、発声も上手にできてないのではないだろうか?」

と心配になるものです。



私も、トレーニングのメソッドがスムーズに出来ないときは気になりましたし、実際、あまりにもきちんと出来ないうちは上手ではなかったことは確かです。

しかし、どんなに発声が上達したとしても、ボイトレのメソッド自体、完璧を目指せばキリがありません。
私自身、信頼できる先生について定期的にレッスンを受けていますが、いつもボイトレのチェックをしていただき、必ず何かしらの指摘を受けています。
何年やっても、さらにやることが増えてくる。
だからこそ上達するのではないかと思います。


ただ、皆さんには「実際、スピーチを行うときや歌うとき、ボイトレのことは忘れてください」と言っています。

ボイトレとは、ボイトレを忘れるために行っています。

表現する内容を楽しんでほしいからです。

自分が表現したいことがあっても、トレーニング不足では、思い通りにいかずにもどかしい思いをします。
それを忘れるためにトレーニングをしているのです。


ボイトレが上手くいかないからダメだということはありません。

例えば、アスリートでも、しっかりストレッチを行っているにも関わらず身体の硬い人もいます。個人差があります。
でも、身体が硬いからと言って、必ずしも成績が悪いとは言い切れませんね。
体操種目などは別ですが、ストレッチは身体を柔らかくして柔らかさを表現するために行うのではありません。
故障を少なくし、身体を守るために行っているのです。

昨年末、ゴルファーの青木功さんの講演を聞きに参りましたが、「私は、身体を守るために毎日のストレッチは欠かしません。自分の身体を守るのは自分しかいませんから。」とおっしゃっていました。そして毎日「神様、今日もゴルフをさせてくださってありがとうございます」と祈るのだそうです。
ストレッチをしっかり行い、後は天に任せてゴルフを楽しむ。

ボイトレも同じです。
ボイトレのためのボイトレになってしまわないように。
ぜひ、ボイトレはボイトレで行い、あとはそのときの実力で発声して表現を楽しみましょう。

ボイトレの場合、発声のとき一つだけ気にすることがあるとすれば「横隔膜」。
これだけです。

横隔膜が使えるようになると、喉のストレスが減り、発声が楽になっていきます。

本番では、声帯や喉などのことはすっかり忘れてください。
下腹をしっかり張って、横隔膜だけに意識を持っていってください。
そうすれば、今持っている実力を発揮できることでしょう。


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