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プレゼンとは言葉の力を信じること 記憶に残らなければスルーされるだけ

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第47回衆院選が2日に公示され、14日投開票に向けて党首の方々の演説が日々聞かれるようになりました。

11月21日に議院を解散した安倍内閣の安倍総理の演説を聞くと、やはり、どうしても小泉純一郎元総理の平成17年8月8日に行われた「衆議院解散」における、あの「郵政ガリレオ解散」と言われた伝説の演説を思い出してしまいます。

リンク→平成17年8月8日 小泉内閣総理大臣記者会見 [衆議院解散を受けて]

台本があるのですが、小泉元総理は、自分の言葉を折り込みながら話しており、あの息とともに火を噴くような声と話術で、大変な説得力がありました。

「郵政民営化に賛成してくれるのか、反対するのか、これをはっきりと国民の皆様に問いたいと思います。」

「私は、4年前の自民党総裁選挙において、自民党を変える、変わらなければぶっ壊すと言ったんです。」

「だから、私は前々から言っているんです。郵政三事業の民営化に反対するということは、手足を縛って泳げというようなものだと。」

「約四百年前、ガリレオ・ガリレイは、天動説の中で地球は動くという地動説を発表して有罪判決を受けました。そのときガリレオは、それでも地球は動くと言ったそうです。」

「国家公務員の身分を守ろうとしているんじゃないですか、反対勢力は。」


「賛成か反対か」「ぶっ壊す」「手足を縛って泳げ」「ガリレオ・ガリレイ」「反対勢力」など、キレまくった小泉さんの言葉が脳髄に突き刺さり、9年前にもかかわらず今でもとれません。


それに比べると、安倍さんは優等生。

リンク→平成26年11月21日 安倍内閣総理大臣記者会見

お役人が用意した原稿を、少しはご自分の言葉を使うようになさっているようですが、まだ忠実に読んでいます。
話し方や声も、一度目の総理在職中より大変工夫しておられますが、それだけでは足りません。

演説とは、記憶に残ること。
残らなければスルーされます。

企業のトップでも、他の人が用意した原稿や資料を読み上げなくてはならない場合も多いと思います。
だからと言って、ただ読み上げていただけでは、説得力がなく、人の記憶に残りません。

息を吸って、息とともに声を出すことで、熱いパッションを訴える。
原稿は読み上げず、しっかりアイコンタクトをとり、聴衆と出来るだけコミュニケーションする。

そして、もっと言葉の力を信じること。

メッセージを出すことを軽く考えすぎています。
言葉とは人の人生を変えてしまうほどの力を持つということを、今一度深く想いをはせていただきたいと願っています。


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