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食べ物に困っていても太っている アメリカに広がる貧困の皮肉な現実

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「ナショナルジオグラフィック」2014年8月号にて、「米国に広がる新たな飢餓」と題された記事が掲載されており、考えさせられました。

今、世界屈指の経済大国といわれるアメリカで、定職があっても十分な食事をとれない人が増えているのだと言います。

しかも、一見誰も食べ物に困っていると見えないような、貧困層とはほど遠い人が飢えに直面しており、飢えとは無縁だった地域にも貧困がじわじわ広がっているのだそうです。

賃金の低下で、まともな食事ができない労働者が増えているのです。

ただ、路上で失業者が残飯をあさるような大恐慌時代とは違った飢えがアメリカの現実です。

    ・・・・(以下引用)・・・・

食料支援を受けている人を見ると、思わず聞きたくなるだろう。「本当に食べ物に困っているんですか?それなら、なぜそんなに太っているんですか?」と。実際、彼らの多くが太り過ぎだ。「実は飢えと肥満は表裏一体の問題なんです」。そう話すのは、リベラル派のシンクタンク「米国進歩センター」で貧困問題の解消に取り組むメリッサ・ボアテックだ。「空腹を満たすために。高カロリーで栄養価が低い食品を食べざるを得ず、その結果、肥満になる人がいるんです」。貧しい食生活を送っているのに、かえって体に余分な脂肪がつく。それが、米国の飢餓の皮肉な実態なのだ。

    ・・・・(以上引用)・・・・

これは、ダイエットのリバウンドと似ていて、体が飢えた状態を体験すると、その後食べたものからせっせと脂肪をためこもうとしてしまうのです。

ただでさえこのような体の状態の上、生鮮食品を買うお金もなく、しかも調理の時間がなくて油の多いファーストフードに頼ってしまうという状況が肥満を加速します。

アメリカの郊外をレンタカーで旅行したことがあります。
アメリカには生鮮食品を売る店が近くにない「食の砂漠(フードデザート)」と呼ばれる地域が多くあります。
そのため、遠くのスーパーで缶詰やレトルト食品、スナックを箱買いする人がとても多く見られました。ただ、買い出しに行けるのはまだ良いほうで、自宅から800メートル圏内にスーパーもなく貧困や病気、高齢などの理由で車も所有しておらず、交響交通機関も利用できない人がアメリカには大勢いるのです。

また、生鮮食品が体に良いことはわかっていても、調理する時間や労力、知識が必要です。

雑誌には、見た目は中流家庭と思える家族が、冷蔵庫の残り物で調理したものを床に広げて食べていたり、子供たちが食べ物を土足で踏んづけているような場面のショッキングな写真が掲載されていました。

食の大切さ、そして、国の将来をになう子供たちの食育の大切さも改めて考えさせられました。

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