究極のユーザー目線とは男女の壁も乗り越える
以前、私の履歴書にユニチャームの創業者、高原慶一朗会長が連載されていたことがあります。
その波瀾万丈な人生物語に、毎回ドラマでも見るようにわくわくしたことを覚えています。
その中で、衝撃を受けたシーンがあります。
女性の生理用ナプキンを試作するために、自分も股にあてて生活し、家族からも変態呼ばわりされ、顧客回りでは、優れた品質を説明するため「私も使ってます」とニッコリしながら自分の股間をさしたのだそうです。
なんという超ユーザー目線。
製品のことやお客さんのことを理解しようとし、ここまで自分の製品を愛している。
男性が、女性用の商品を扱う場合においてのジレンマを理屈抜きに一気に乗り越えてしまった、高原慶一朗さんの姿に圧倒されました。
私のように、あまり男女関係ない仕事をしている場合は、このような悩みは少ないのですが、男性にとっての女性化粧品などはご苦労が多いのかもしれません。
ふと思い浮かんだのが、ボストン、ニューヨーク、東京を中心に活動する国際的アーチスト、MITメディアラボ助教授でもあるスプツニ子!さんです。
スプツニ子!さんは、「スプツニ子!生理マシーン、タカシの場合」という作品で世界的に有名になりました。
「ボクは女の子になりたい、女の子の気持ちをもっと知りたい!」というタカシ君、女性特有の生物現象である月経を身に着けるために「生理マシーン」を作ります。それは女性の平均月経量である80mlを5日間かけてタンクから流血し、下腹部についた電極がリアルで鈍い生理痛を装着者に体感させるというもの。
本日は、2010年のYoutubeビデオアワード「テクノロジー・乗り物」部門で部門賞を受賞した「スプツニ子!生理マシーン、タカシの場合」を下記動画でご紹介いたします。(人によってはショッキングな場面があるかもしれませんので閲覧をご注意ください)