GMとGEに変革を起こし成功をもたらすのは説得力のある低い声
昨日は、IBM歴代CEO、ロメッティ、それから、パルミサーノ、ガースナーについてご紹介いたしました。
それぞれが、しっかりした発声で低く落ち着いた声。トレーニングされたトップの姿を見ることができました。
一つ言えることは、この姿は持って生まれたものではなく、経験やトレーニングによって得られるのだということです。
さて、本日は、米国の大企業からGM初女性CEO、メアリー・バーラ、GEのジェフリー・イメルト、ジャック・ウエルチをご紹介いたしましょう。
まず、メアリー・バーラ。今年の1月よりゼネラル・モーターズ(GM)のトップに、メアリー・バーラが任命されました。大手自動車メーカーでは初めての女性CEOです。
自動車業界という「男社会」で異色の女性CEOですが、良く通るしっかりした声で信頼感抜群です。古い企業文化を新しく切り拓き「チェンジ」していくには、ナヨナヨとした一般的に女性らしいと言われている声より、信頼感と説得力を持って皆に希望を抱かせるような、このくらいパワフルな声が必要です。
・・・(以下、日経ビジネスオンライン「『血液にGMが流れている』新女性CEO」より引用)・・・
現在のGMは破産から力強く蘇り、今や3年連続で黒字を記録している。古い歴史によって複雑さを加えてきたGMは、シンプルで強靭な企業として、バーラのもとで新たな時代を迎えようとしていると言える。アカーソンはバーラのことを「チェンジ・エージェント」と評している。組織が行き詰まった時に、変化を起こせるような触媒という意味だ。
・・・(以上引用)・・・
声帯がばっちり閉じて良く通る声です。途切れなくしゃべれるのは、息も長い証拠。
声だけではなく、記者の質問にも、自分の言葉で語り、しっかりと誠実にアイコンタクトをはずさないのが素晴らしいと思います。
就任早々にリコール問題で揺れたGMですが、彼女の責任は問われないとしても、こんなときこそ誠実で信頼感のある声が必要です。企業のメージはトップ個人の対応次第なのです。
また、外見も大事です。
バーラは、いつも良質のパンツスーツを着こなしています。
スーツ、特にパンツスーツは女性の体型を補ってくれるのでおすすめです。スーツは良いものを数少なく揃えれば良いので便利。中に柔らかい素材のブラウスやシャツを着用すれば、着回しができて自分らしさも演出できます。
次はGEのジェフリー・イメルト。
イメルトは、偉大なジャック・ウエルチの後を継いで見事にGEを統率しています。この方は、スピーチも上手く、低く柔らかい温かみを感じさせる声です。
学生さん相手で、ウィットにとんだ身振り手振りで、オープンなイメージを強調しながら、話していますね。視線の持って行き方が絶妙で、しっかりアイコンタクトをとりつつも聴衆にプレッシャーを与えないようにしています。
ポケットに手を入れるのは、かっこいいポーズでつい真似したくなってしまいますが、日本ではふさわしくない場合が多いので気をつけて。座った時の足組も、決まる人と決まらない人がいますが、これも場合によっては注意が必要です。
過去にとらわれずに「変化を推進する」精神を持つイメルト。
ウエルチはイメルトに変革を起こす可能性を感じていたのではないでしょうか。
今の時代、いかに素早く自分や組織の可能性を信じて戦略を変えていけるかが勝負。バーラに引き続き、やはり大企業の新CEOのキーワードは「チェンジ」のようです。
最後はGEのジャック・ウエルチです。
GE最後とありますので、66歳くらいでしょうか。年齢を感じさせない凛とした張りのある声で、話すだけで緊張感とエネルギーがみなぎります。すぐに真似できるものではない、ある境地に達した巨匠のしゃべりだと思います。
今回ご紹介した方々も、決して素のままで話しているわけではありません。
「スピーチトレーニング、ボイストレーニングなどなじみが無いし、自分は関係ない、そもそも俳優がやるものでしょう?」と思っていたら大間違い。
このように、企業のトップでもスピーチのトレーニングを行っているのです。
日本でも、少しずつですが、トレーニングを受ける方が出てきています。これからは、ビジネスパーソンも人前で話す機会が増えてくると思います。トレーニングと言っても、簡単に出来るものばかりですので、ぜひ、少しずつ日頃から心がけてみられてはいかがでしょうか。