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安倍総理 スピーチの特徴と改善点

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安倍総理のスピーチは、前回の総理時代より工夫され、練習されていると思います。


総理の記者会見や演説を見ると、言葉と言葉の間を区切って間をとり、語尾をしっかり止めて、出来るだけ伝わりやすくお話なさろうとしています。また、数字が出てくると指で示したり、「前進する」などの前向きな言葉と同時に手で表現したり、常に伝えようとしていますね。
親切な話し方だと思います。

政治家の方で多いのが、言葉の合間に「あ〜」「え〜」がはいり、語尾を止めず「そのお・お〜、であるからしてえ・え〜」などのようにズルズルと話し続ける話し方です。文章と文章を関節的な言葉や「あ〜」「え〜」でつないでしまうと、文章がまとまらず、エンドレスで続いていくので、聴いているほうは「一体何を言いたいのだろうか」とわからなくなってしまうのです。

伝えたい強いメッセージがあれば、ある程度文章を短めにまとめて「言い切る」ということが必要です。
その点、小泉純一郎さんは良くできていたと思います。

リーダーや政治家である方々にとって、自分の意見をしっかり言い切っていただけないと、国民である聞き手のほうが判断できなくなってしまいます。

安倍総理の場合、プロンプターがあるときや、原稿があるときなどは、声や話法に気持ちが集中できるせいか、言葉や語尾を止めてお話なさる方法を相当意識なさっていると感じます。

また、もともと柔和なお顔であるということも、自然な笑顔が出て、厳しいことを言っていても柔らかい印象を感じさせて得をしています。
笑い顔ということは、頬が上がり声が明るくなりますので、これも景気の上向きをイメージさせて良いのではないでしょうか。


ただし、質疑応答や国会答弁のように原稿の用意されていないフリーの場面や、難しい解答を迫られる場面になると、やはり以前からの癖である「あ〜」「え〜」や語尾をのばす癖が出てしまいやすくなっていますね。

質疑応答のときも、しっかりと言葉を止めて言い切っていただくと説得力がありますし、こちらも安心して聴いていられます。
質問されている最中に、回答が気になってしまい資料に目を落としますので、質問者のアイコンタクトが完全に外れてしまうのが気になります。質問している方に対して誠実にアイコンタクトをとっていただき、少し時間がかかっても良いので、その後資料をチラ見しても良いのではないでしょうか。そのほうが、好感度があがります。

とても気をつけられているのですが、もともと[r]と[d]の発音が苦手のようです。横隔膜と舌筋のトレーニングをすると楽に発音できるようになります。

言葉と言葉の合間をとっているのは良いのですが、やや早めに話してしまう傾向にあります。横隔膜ができてくれば、声が充実しゆっくりと話せるようになっていきます。

声のトーンが明るいことは良い事なのですが、声がやや高めですね。高めであることは若々しい印象ですし、パッションも感じさせて、上向きイメージはありますが、下手をすると「選手宣誓」のようになってしまう場合もあります。

アベノミクス3本の矢、第一と第二の矢「金融緩和」「財政政策」については上向きイメージで良い調子です。あと第三の矢「成長戦略」も先日発表がありましたが、それをさらに押し進めることや、TPP、集団的自衛権など、重量級のテーマが山積みです。今後はさらに説得力が必要ですから、スピーチも低い声を使い分けられるようになると良いと思います。


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