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プレゼンや講演での動きはその人の気持ちがそのまま現れているのを本人は知らない

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プレゼンテーションや講演では、その人が舞台に現れるときの姿で、上手かどうか、ほとんどのことはわかってしまいます。

これは、ピアノの演奏会でも同じです。
舞台の袖から現れて、第一音を弾くまでの間で、ほとんどの事がわかってしまいます。
不思議なことですが、出てくる姿が絵になっている人は、ほとんどその想像を裏切られることはありません。
極端な例ですが、ある先生はコンクールの審査員をしていて、「出てくる姿と最初のページで点数をつけてしまう」とおっしゃっていたほどです。コンクールの審査員は、朝から晩まで同じ課題曲を聴かされているので、演奏側がある程度突き抜けていないと、きちんと聴いてもらえません。

どんな場合でも、人前で話すときは、「聴衆がいる」ということをきちんと意識してください。
ほとんどの方が、出てくるなりパソコンの画面やスライド、またはプロンプターと会話しているような様子が多いのです。
お詫び会見など笑顔を出してはいけない場面でなければ、出来る限りの笑顔で、聴衆の方を見ながら、颯爽と現れるように練習してみてください。

話す事と同じく、舞台上での動きはとても大事です。

演台の後ろに立って、ほとんど動かずに下ばかり向いていたのでは、体全体から伝わってくるものを遮断してしまいます。
人前に出るということは、全身を見られるということで、恥ずかしい気持ちはわかりますが、隠れてしまっては、ぜっかくの表現ツールを生かせません。

プレゼンテーションや講演に慣れてくると、舞台上で動きをつけてほしいですね。

その場合は、動きにきちんとした理由が欲しいところです。

やたらとせわしなく動き回ったり、意味もなくスライドを頻繁に見る動きは、落ち着きがないように見られますし、聴いている方も話の内容に集中できなくなってしまいます。

動きをつけやすいのが、話題が変わるタイミングです。

話題が変化するところで、立っている場所を変えるために少し歩きましょう。
歩いている時間は、聞き手がそれまでの話を整理したり、気持ちを切り替えるために必要な時間だと思ってください。話し手は内容をすべてわかっているので、動く時間が長く感じられ、ついせかせかと移動してしまいますが、初めて聴く側にとっては、時間を置いてもらうほうが情報が整理できて助かるのです。ぜひ、ゆっくりと、堂々と移動してください。

そして、移動したら、身体を聴衆の方に向けて固定して、アイコンタクトや手振りなどで表現してください。

移動した先でも理由もなくせかせかと動くと、話題を変えるためのに移動した意味がなくなります。

人前に出るということは、足の先から頭のてっぺんまで見られているということです。

私は、昔ピアノの演奏で上手く弾けなかったとき、曲と曲の途中、ハンカチで手をふいてから置く動作が、ついついぞんざいになってしまったことがありました。自分ではちょっとした動きだったという認識しか無かったのですが、先生に、「あなたの気持ちが動作に現れている」と後から厳しく注意を受けました。

動きというのは、その人の気持ちが正直に現れるものです。
不安だったり、緊張していたり、落ち着きを失っていたり、動揺していたりするかもしれません。だからこそ、落ち着いた動作をすることで、逆に自分の気持ちも落ち着いてくるという事があります。

人前に出るときは、ぜひ、動きに気を配ってみてください。

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