言葉は生き抜くための道具である
どのように言葉を伝えたら、より人に伝わるのか?
いつも考えていることです。
「ベストセラーズチャンネル」は、ベストセラーを出した著者たちをゲストに呼んでインタビューするラジオ番組です。その内容をまとめた本「プロフェッショナルの視点」を読了しました。
その中で「伝え方が9割」の著者、コピーライターの佐々木圭一さんが、言葉の伝え方について語っているのが、印象に残りました。
佐々木さんによると、言葉は「ひらめくものではなくつくるものだ」と言います。
ベストセラーを出すような佐々木さんでも、最初はなかなか言葉が書けませんでした。
しかし、あるとき、世の中に出ている映画や歌詞の名言には、一つのルールがあることに気がついたのだそうです。
その一つが「ギャップ法」です。
・・・・・(以下引用)・・・・・
・プロ野球の名言で「記録より記憶に残る選手びなりたい」
「燃えよドラゴン」で「考えるな感じろ」
「踊る大捜査線」で「事件は会議室で起きているんじゃない。現場で起きているんだ」
「全部正反対の言葉を使っているんですね。「記録」に対して「記憶」。「考える」に対して「感じる」。「会議室」に対して「現場」という。つまり正反対の言葉を使うと人は心を動かすのではないかと思ったわけです。
・単純に「あなたが好き」というよりも、「嫌いになりたいのにあなたが好き」というと、より心を動かすことができるんですね。
・ギャップ法は「正反対の言葉を同じ文章に入れると、非常に心を動かす」と最初に気づいたルールでした。
・・・・・(以上引用)・・・・・
昔からある「急がば回れ」も同じですね。
映画のクライマックスでも、どんでん返しの落差が激しければ激しいほど強く印象に残りますし、感動します。
それなら、登場人物で正義の味方だと思っていた人物が犯人だったというほうがより面白い、死んでいたという人物がじつは生きていたというほうがより感動する、という考えと共通します。
佐々木さんは、そういう強い言葉の引き出しをつねに70は持っているとか。
ひらめくような天才的なコピーライターもいるそうですが、佐々木さんのお話から、言葉は訓練で作ることができるようになることがわかりました。
言葉を訓練すれば、自分の伝えたいことが伝えやすくなる。
より多くの人に伝わる。
強い言葉は、戦わなくとも、世の中に切り込んでいくことができる有能な武器であり、生きて抜くための道具であるということに気がつきました。