強みとは何か? だめな自分の中に強みがある
自分の強みはなんだろうか?
何かで社会のお役にたてるのだろうか?
怪我をして仕事がなくなった数年間、よく考えていました。
そこで、自分ができることを何通りか棚卸しし、その組み合わせを考えると、ある一つの道が見えてくるように感じました。
人生、数年経つと、自分のできることにも変化があります。
仕事で悩んだとき、行き詰まったとき、いつも出来ることの棚卸しをするようにしています。
「これはどんな意味があるのか?」と考えると、また新しい道が切り開かれているように感じます。
この「出来ること」とは、もう一つ別の言い方をすると、自分の「強み」のようなものとも言えます。
また、強みと同時に考えるべきことは、自分の「課題」です。別の言い方をすると、これは「弱み」のようなものとも言えます。
まだ出来ていないこと、これからチャレンジしていくべきところなど強みと同時に考えることで、強みがさらに生かされるからです。
それは、仕事の技術や知恵などはもちろん、性格や思考癖なども統合して考えます。
たとえば、良くない思考癖として、困難に対してすぐに「どうせ〜」と言ってしまったり、失ったものや、不運の数を数えている自分がいることに気がついてハッとなることがあります。過去の起きたことに執着しがちなのは、現在の大事な時間を無駄に使ってしまうことにもなります。また、それが積み重なると、人生の流れが上手くいかなくなる傾向にあるように思えます。意識して出来る限り良い言葉を自分に対して使うように変えていくことが必要だと強く感じました。
しかし、この思考癖も、裏側から見ると、反省力や内省力があるともとれます。
過去に起こった苦難や苦労はなぜ与えられたのか、その意味を考え、問い続けることで、すぐに答えが出なかったとしても、そのおかげで今の自分があると思うからです。
強みを考えるのと同時に、弱みも考えてみると、強みと弱みは同時に内在しているのだともとらえることができます。
だから、気がつき、見えてさえいれば、本来自分のすべてはOKなのだということかもしれません。
「合唱チームビルディングの研修」を行っています。合唱チームビルディングとは、難しいといわれているアカペラ合唱を、社内のメンバーと数時間で仕上げてしまうプログラムです。
そこでは、それぞれのパートにディスカッションをしていただく時間があります。
ディスカッション項目の一つとして、パートの「強み」と「直すところ」を発表していただきます。
ホワイトボードに、それぞれの発表内容を書き出していて、いつも感じることがあります。
それは、直すべきところと、強みは、音楽的にはほとんど一致しているということです。
たとえば、ある企業で行ったバス・チームの「直すべきところ」は「もっと優しく歌う」、そして「強み」は、「男らしい響き」「他を支えてくれている」、でした。
しかし、優しさも、音楽的には、男らしさや支えている強さの内在あってこそです。強くなければ優しくなれないのと同じです。バランスの問題で、どちらも、本当はすべて強みに通じていきます。
だから、弱みだからと言って、否定することはないのです。
この「強み」や「自分らしさ」そして課題を考えることは、自分自身の人生にも大いに通じていると思えます。
皆さんとともに、研修をしていくと、どんな場合でも自分の課題に気がつき、成長をいただけているような気がします。