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日本にマリア・カラスに引けを取らない歌手がいた

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昨日の記事にも書いた人類最高のオペラ歌手、マリア・カラス。

日本にも、カラスに匹敵する歌手がいます。

美空ひばりさんです。

なかにし礼さんは「オペラのマリア・カラスに引けをとらない大歌手だ」と言い、野坂昭如さんも「20代のひばりがそのまま歌手に徹し、よき導き手をえていたら世界に名をとどろかせただろう」と言っています。

そのひばりさんの声は、女性にしては実に低い声なのです。
人の魂を揺さぶるような歌、これはひばりさん独特の低い声から生まれています。

なぜ低い声が良いのか?
その理由をソプラノ歌手の藍川由美さんがセゾン系の雑誌「express」の6月号に書いていました。

     ・・・・(以下引用)・・・・

美空ひばりさんの声はコントラルト。女声では最も低い男声の声域までカヴァーできる声です。もしも「悲しい酒」を1オクターブあげて学校唱歌の高さで歌ったらどうでしょう?興ざめしますよね。でも、人の声は声帯の長さで決まるため、誰にでもあの低音が出せるわけではありません。これぞ伝家の宝刀です。甲高いソプラノより中性的な深い響きのコントラルトを好むのは日本人だけではありません。ヨーロッパではバロック時代に活躍したカストラート(去勢された男性歌手)がフランス革命後に禁止されると、カウンターテナーがその役を演じるようになりますが、ロッシーニは自作のオペラで主役の男性を女性のコントラルトに歌わせて大成功をおさめました。美空ひばりという歌手はまさに人もうらやむ声帯の持ち主だったのです。

     ・・・・(以上引用)・・・・


低い声は、しゃべり声にしても、歌にしても、説得力を持ちます。そして、包容力や心の温かみを感じさせる声なのです。

人が出せないような高音や、マシンガンのように甲高い声で滑舌よく話しをされたときには感じられない深く心に響く声。それを低い声は持っています。

コントラルトとは、女性でいう一番低い声。

ひばりさんの声は皆さんよくご存知と思いますので、本日はコントラルト歌手でもあるナタリー・シュトゥッツマンの、深々と癒される声を聞いてください。

リンク→ナタリー・シュトゥッツマン:ヘンデル作曲「オンブラマイフ」

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