着るとハンサムになれる服は人生を変える魔法のスイッチ
人はどれだけの可能性に満ちあふれているのだろう。
そして、その可能性は、ある一つのスイッチを発見することで、無限にひろがるのだ。
2014年4月28日日本経済新聞に元宝塚トップスターだった鳳蘭さんのインタビュー記事がありました。
宝塚音楽学校に入学した当初は、成績は58人中、下から2番目。トップは諦めていたと言います。しかし、2年目で同期が準主役に抜擢され「チャンスがある」と奮起。努力の結果、4年後には単独トップの座に。
女が男を演じる、男役という難しい役作りを、鳳さんはどのようになさっていたのでしょうか?
「人妻殺し」と言われた「風と共に去りぬ」のレット・バトラー役で燕尾服を着たのが一つの転機だったようです。
・・・・・(以下引用)・・・・・
男になりきったせいか生理も止まったほど。そんなことは初めてだった。自分で言うのも気が引けるが燕尾服が良く似合う。欧米人のような骨格だからだと思う。
(退団後)ディナーショーで宝塚時代の歌を披露するときに着る。すると1秒で男役に戻る。
・・・・・(以上引用)・・・・・
記事の中で、鳳さんが「燕尾服が好きだ」「燕尾服は男役スターの象徴。袖を通すと自然と背筋がのび、男らしいしぐさになる」といっています。
燕尾服は、鳳さんにとって「スイッチ」だったのではないかと思います。
「ハンサム★スーツ」という映画があります。太っていてさえない主人公が、「ハンサムスーツ」という秘密のスーツを着ると、イケメンに変身し、世界が思い通りになっていくのです。
それは現実にはあり得ない架空の世界ですが、私はそこに一つのヒントがあると思えました。
スーツを着ることによって、自分の可能性が目を覚ます。
そういうことがあるのだと思えるのです。
何名かのピアニストとジョイントで演奏会をすると、それぞれが、衣装を着るタイミングにとても気を遣っています。気合いが入りやすい人は、出番の直前に。また、なかなか気合いの入らない人は、何時間も前に。私は、その日の調子で着るタイミングを変えていますが、あまり前から着ると疲れてしまうタイプなので、割と遅めに着るようにしています。
衣装を着ることで、人前で演奏する演奏家としての覚悟が定まります。
また、ここぞというプレゼンテーションのときは、髪の毛はアップにまとめて、子供の頃から好きだったフリルのついた服、と決めています。そうすると、ビジネスの世界で話すモードに切り替わるのです。
これは、本来の力量とは関係ないことなのですが、これをすることで自分にスイッチが入るという何かを持っていると、自分の可能性が広がるのです。それは人生を変えるような魔法のスイッチであり、人にはそれぞれが魔法のスイッチを持っているのだと思います。