声の良い人は笑い顔も好印象
ボイストレーニングのレッスンで、「笑う」トレーニングを多く用います。
それは、人に好印象を与えるための笑いではなく、声をよくするためのきちんとした理由があります。
人は笑うときに、顔の筋肉が持ち上がります。
特に、頬の筋肉が持ち上がることがとても大事です。
声を共鳴させるのは鼻の後ろ側に円錐型の響きを作り出すことです。そのとき、頬が下がっていると声が暗くなり、とたんに響かなくなります。
低い声で話しましょうと言うと「ドスの効いた怖い声になりませんか?」と聞かれますが、響きを伴えばそんなことはありません。
ドスの効いた怖い声はたいてい頬が下がって、顔の表情も怖くなっています。
頬が上がっていれば、声の響きは明るくなり、低くても良く響く説得力のある声になるのです。
ただ、皆さん「笑いましょう」と申し上げても、なかなか笑顔が作れません。
大抵は、唇が横に真一文字になるだけで、頬が下がってしまっているのです。頬の筋力が落ちています。
よく聞くと、皆さん、普段あまり笑うことがないのだそうです。日常のお仕事が厳しくて、笑っておられる時間が少ないのかもしれません。そのため、いざ「笑いましょう」と言っても、ぎこちない笑顔しか作れないのです。
そういう場合、良い声を出すために、ある程度は笑うための練習が必要になってきます。
2014年3月1日、日本経済新聞の「常識点検」『印象の良い笑顔のコツ』という記事に、印象の良い笑顔を出す方法が書かれていましたので、引用してご紹介しましょう。
・・・・・(以下引用)・・・・・
◆割り箸ストレッチで顔を動きやすく
鏡の前で割り箸を横にして口にくわえる。くわえたまま指で口角を押し上げ、30秒間キープ。割り箸を抜いた口元が笑顔の基本形。しっかり覚えてこれを3回繰り返す。
◆体操しながら声を出す
鏡の前で伸びをして深呼吸。息を吐くとき両手のひらを開きながら体の前に持っていき、語尾が「イ」の言葉をテンポ良く言う。例えば「ラッキー、ラッキー」「ハッピー、ハッピー」という具合。
◆ネガティブな感情のコントロールに務める
不安、いらだちといった感情のまま笑っても不自然になる。嫌な気分の理由を分析し、原因を取り除く努力をしたり、「いつまでも考える必要はない」と言い聞かせたりする。
・・・・・(以上引用)・・・・・
笑うための訓練をしても、じつは、良い声を出すためには、本当に笑ってしまってはだめです。
口が真横に引っ張られてしまい、口の中が狭くなり、声の響きが浅く金属的になってしまうからです。
笑いの要素から「頬を上げる」部分を取り入れ、あとは口の中を「オ」の口にする。そして頬をあげれば、口角が上がり、目は優しい表情になり、声が響き、良い声で発声することができます。
下記の記事を参考にしてみてください。
リンク→「え」や「い」を笑う口で話さないで 知的で説得力のある響きを手に入れるビジネスボイストレーニング『えといの攻略編』
割り箸のストレッチは、こちらのブログで書かせたいただきましたので、日常に取り入れるようにしてみてください。
リンク→”割り箸ボイストレーニング” 知的で説得力のある響きを手に入れるビジネスボイストレーニング『基本のポジション編』
リンク→「笑顔はすべてを癒す」 知的で説得力のある響きを手に入れるビジネスボイストレーニング『わりばしボイストレーニング編その2』