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ライフワークとしての学びを考えます。

日本人は本来良い発声をするための呼吸法ができていた

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朝のラジオ体操で、最後に「大きく胸を開いて深呼吸」がありますが、あの呼吸法は「胸式呼吸」です。

私のセミナーでも皆さんに「深呼吸してみましょう!」と呼吸していただくと、90%以上の方々がラジオ体操の深呼吸になっています。

また、日々デスクワークが多いと、どうしても胸式呼吸になりがちなのは仕方のないことです。

一般的な腹式呼吸は「息を吸って、お腹をふくらまして、息を吐いて、お腹をへこまして」というもので、これは呼吸としてはとても理にかなったものです。
息を吸って肺がふくらめば、横隔膜が下がって内蔵が下がりお腹がふくらみます。息をはけば、横隔膜が上がって、肺がつぶされ息が押し出されます。
この方法は間違ってなく正しいと思います。ただ、これをしっかり出来ている方もあまりいらっしゃらないようです。

発声のときに必要な呼吸は、息をはくときはお腹を張り出すようにします。
そうすることで、肋骨などの邪魔がないぶん横隔膜が引き下げられ肺に息がよりたくさん入ります。また横隔膜をしっかり使うことでインナーマッスルが発達して横隔膜の力を発揮しやすくなります。横隔膜がしっかり使えるようになれば、自然と声が良くなるのです。

2014年2月8日日本経済新聞NIKKEI PLUS1「健康生活」にて「全身使ってウオーキング」という記事に「負担が少ない『ナンバ歩き』」として、日本人古来の歩き方の良さについて書かれていました。

    ・・・・以下引用・・・・

ナンバ歩きは、右足を前に出すときに右手も、前に出し、手のひらを下に向けて押し込むようにする。左の手のひらは胸のあたりで上に向けて引き上げるイメージだ。左足を前に出すときはその反対になる。「体をねじらないのは和服が着崩れしないように、踏ん張らないのはげたやぞうりの鼻緒が切れないように」
(中略)
ナンバ歩きでは胸郭と骨盤が連動して上半身が動き、無理なく長い距離を歩けるので、有酸素運動につながるという。

    ・・・・以上引用・・・・

呼吸の話しとは関係ないように思えますが、現代人の生活にナンバ歩きを取り入れるかどうかということよりも、この歩き方をすると、骨盤が安定し、お腹を張り返しながら呼吸しやすくなることに気がつきました。

日本人は、着物を着ていた時代は、骨盤が安定しており、お腹を常に張り返しながら呼吸をしていたのだそうです。
ただ、生活様式が変わり、お腹を張り返す必要がなくなりました。

それを考えると、本来日本人は良い発声をするための呼吸法が出来ていたのではないでしょうか。

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