良いモテとは良い返し手になること
セミナーにおいても、不思議と「モテ声」についての質問が多く、今後はモテについても少しずつ書いていこうと思います。
モテというと一般的に「下心」ばかりが強調されるようですが、モテの基本は、その方の人間力です。
相手のことを思いやり、気持ちを汲み取る能力や熱意、相手に感じさせる優しさ、そして深い知恵や知性です。
そうは言っても、人間の本能や無意識の領域では、理屈や頭で考えていることでは推し量れないこともあります。
それが「低い声」です。
それも、明瞭で、良く響き、深みのある低い声です。
こういった低い声は、男性女性関係なく、安心感や信頼性、リーダーシップを感じさせます。その声は、心に深く浸透し、癒しにつながり、人は惹かれていくのです。
横隔膜のボイトレを行えば、低い声で、声が響き、ゆっくり話しても間が持ちますので、つっかえたり、あわてたりしなくなります。
特に、慌ててしゃべるのは損です。
低い声で、ゆっくりしゃべりましょう。
最近のアイドルも、かなりゆっくり話していますね。そのほうが、好感度が高いからです。
慌てて早口なのは、余裕がなく、いざというときに頼りないのではないか、感じさせてしまいます。
例えば、道が分からなくて交番で道を尋ねた時。
はじめての道ですから、早口でしゃべられると、頭の理解がついていけなくなります。
ゆっくり話してくださると、思いやりがあって親切で優しい人だなあと思い、心からホッとしたことがあります。
道でなくとも、特に初対面の方には、落ち着いてゆっくりと話すことが良い印象を与えるコツです。
人とのコミュニケーションは、ゆっくり話すと同時に、リズム感が大事です。
地方のお正月は、まだお餅をついたりするところも多いのではないでしょうか。
若い夫婦がお餅をついているのを見ると、大抵は旦那さんが力任せに杵をついています。
奥さんの返し手もなんとなくぎごちない。
どうもリズム感が良くないのです。
しかし、長年つれそったご年配の夫婦を見ていると、急ぎません。そしてリズム感が良い。
ご主人はほとんど力を入れずに気持ちよく軽やかにお餅をついています。そして、奥さんの返し手が素晴らしいのです。こちらも急がず、タイミングよく、良いリズム感で返すと、お餅をつくほうは楽につけるのだそうです。
そして、そういう夫婦のお餅は、臼でお餅がよくまとまり、まるで踊っているように見えます。出来上がりも、つややかでキメが細かいのです。
良いアンサンブルを見るようでした。
究極のモテとは「良い返し手」になることだと思います。相手の土俵にたって、良いリズム感でコミュニケーションできるようになることだと思っています。