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ライフワークとしての学びを考えます。

この人についていきたい感と声の時代性

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数年前に米国のニュースを見ていたら、女性キャスターが見事な発声で話しているのを聞いて、声に注目するようになりました。
そして、ニュースキャスターの声、特に女性アナウンサーの声は、どんどん低くなっている傾向にあります。

最近日本のアナウンサーでも、良い発声で、しかも、少しずつ低い声の方が増えてきているように思います。
そして、良い発声をもって低く落ち着いた声で話す方のほうが、息長くやっていらっしゃいます。

低い声は、政治や経済の話しをしても、説得力があります。

アナウンサーでも、お若いうちは良いのですが、ベテランになってくると、社会的な問題にも精通し、政治家や経営者、識者とも対等にとも対話ができなくてなりません。
そういうときはやはり低い声のほうが似つかわしいと思います。

また、最近は、欧米の政治家や経営者、有名人など、影響力のある方々は、総じて声が低くなっています。

高度成長期の時代は、高音で声高に声を張り上げるスピーチが多いのですが、今は時代が成熟してきて、落ち着きと説得力、そして心に深くしみ込む声が必要となってきています。最近はさらに「癒し」「おもてなし」の要素も入ってきているように感じています。

戦時中など、異常に国民の士気を上げなければならない場面などは、なりふり構わない高音を用いて話していた時代もありました。
ヒトラーのスピーチは、言っていることが正しいかそうでないかはまったく別の問題として、歴史に残るような伝説のスピーチをされたと思います。
ヒトラーは、わざわざユダヤ人のボイストレーナーに師事し、横隔膜を使って声を響かせているほどです。
自分の中では「もしや」という思いが一瞬かすめたとしても、それを打ち消すほどの、自分をも説得するほどの声とスピーチだったのではないでしょうか。素晴らしいスピーチとは、潜在意識にある本当の自分さえも説得してしまうものなのです。その心から信じている思いは、恐ろしいほど聞いている人に伝わります。


ただ、現代からすると、少し音程が高い。

今、政治家や経営者が、あそこまでの高音でスピーチをしていると、少し時代がかっているように感じられると思います。

J.F.ケネディ元大統領は、プレジデントのためのボイストレーニングを受けていました。アメリカの時代性もあり、スピーチは現代の大統領よりも高めに発声しておられます。
しかし、演説以外の声は低いですね。
マリリン・モンローにも、あの声で話しかけていたのだろうかと、つい想像してしまいます。
大統領にまでなられた方ですから、人間的にも魅力のあった方だったのではないでしょうか。地位も名誉も人間力もある人にあの声で話しかけられれば、男性女性関係なく、どんな人でも思わずついていきたくなると思います。

ちなみに、お嬢さんのキャロラインさんの声も、落ち着いた低音ですね。あのチャーミングな容姿とあいまって、とても知的でエレガント。
お父さんの血を受け継いで、今後は、さらに素晴らしいキャロラインさんならではの活躍が楽しみです。

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