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10年たっても忘れられないスピーチになる声とリズム感の関係

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話しは、声とリズム感だと言われます。

リズム感が良い話し方をされると、聞いている人の心に内容が残ります。

リズム感とは、滑舌よく、間違えず、明瞭に、ハイテンポで話切ることが、すべて良いとは限りません。

「パーフェクトなしゃべりで見事だった」「よく練習されているなあ」と感じても、帰り道「はて?何の話だったのかな?」と覚えていないことも多いのです。
もちろん、事実を正確に伝えなければならない仕事や場では、その技術も必要です。しかし、一般的なビジネスパーソンにとって、アナウンサーのような技術はほとんど必要ないと思います。

スピーチは、全部の内容を覚えてもらう必要はありません。講演は、聴衆の方々が、帰ってから何か一つのことでも覚えておいてくだされば大成功。
そして、次の日から何か一つでも行動を変えることができれば、さらに素晴らしいと思います。

そのためには、話しにリズム感を持つことが大事です。

私が10年前に聞いて未だに覚えているのは、木村秋則さんの講演です。

木村秋則さんは、NHK「プロフェッショナルの流儀」、昨年6月に公開された映画「奇跡のリンゴ」でも有名になりました。木村さんは自然栽培でリンゴを作っています。

私が木村さんを知ったのは10年前頃で、当時田園都市線沿線にあった自然食品のお店で講演を行ったときのことです。

木村さんのリンゴは1個500円もしますが、皮ごとひと口かむと豊かな香りがいっぱいに広がります。私が買い物に行って、たまたま木村さんのリンゴを試食させてもらったときに、お店のスタッフの方が、「木村さんがお話にいらっしゃるので聞いてみませんか?」とお誘いくださり、買い物ついでに聞かせていただいたのです。

買い物に来ている少人数の方々が聴衆で木村さんを囲む、と言うスタイルでした。

お店の社長さんとの対談だったのですが、その社長さんがまた良い声なのです。低くてよく響く声で、じっくりと長い間をとって、優しくゆっくりと語りかけてくる。不思議な説得力があり、一度聞くと忘れられません。社長さんは、リヤカー一つに野菜を積んで会社を興した人で、自然食を中心にユニークな活動で知られる人でした。
社長さんは、まだ今ほど有名ではなかった木村さんの農園に直接行って、収穫のお手伝いをしたり、リンゴを入荷したりしていました。
木村さんが人間力あふれる東北弁で話し、社長さんが力強く相づちを打ち、木村さんの話しを盛り上げる。リンゴを収穫するときの体験談のお話など、おもわず引き込まれてしまいます。その対照的な二人のリズム感が素晴らしかったと思いました。

特に、社長さんは、優しさのある良い声で重みがあるので、ゆっくり話していても間が持ちます。自然食についての知識もない私の頭の中にも、スムーズに内容が入ってきて、分かりやすい。そして「どうしてもこの素晴らしさをみんなに伝えたい」という思いであふれているので、声に魂がこもっていて、聞いている人に「今度からこの店で買ってみようかな」と思わせる説得力があったのです。社長さんは、リーダーとしてもお店のスタッフに慕われていて「大将」と呼ばれていました。

決して「私はリズム感悪いので」と思う必要はありません。リズム感のよくない人でも、良い声で、ゆっくりとしたリズムで話せば、話しは説得力と信頼性がアップし、忘れられないスピーチになり、人間力も伝わります。

リズム感と声の関係。
今後、さらに書いていきたいと思っています。

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