ボイストレーニングでお酒とくしゃみは要注意
ボイストレーニングを皆さんにお伝えするようになって気をつけていることがあります。
それは発声のあとに、お酒を飲むのを控えるようになりました。
緊張した講演を終えたあとなど、ご同行した皆さんと一緒に乾杯したい気持ちになりますが、お酒を飲んでしまうと次の日、どうしても声の出が良くないのです。仕事が控えているときは残念ながらご遠慮しなくてはなりません。
いくらリラックスを心がけていたとしても、めいいっぱいノドを使ったあとは疲労しています。
できるだけ速やかに回復するように、ノドをやすませなければならないのです。
ノドを使ったあとは血行がよくなり充血しています。
そこでお酒のような刺激のあるものを飲むと、余計に回復は遅れます。
お酒を飲むと顔が赤くなる人は特に注意が必要です。
日本人はアルコールがあまり強い民族ではありませんから、ほとんどの人はノドを酷使したあとにお酒を飲むのはあまりお勧めできません。
でも、どうしても飲まなくてはならないときは、100歩ゆずってアルコール度数の低いものにしてもらい、チェイサーのように水をいただきながら飲むと少しは影響が軽くなります。
そこまでしなくても・・・と思われるかもしれませんが、仕事ですので仕方がないのです。
子どものとき、児童合唱団のコンサートで、全員が練習会場からホールまで電車で移動することがありました。
指揮者の先生が「これから移動中、本番まであまりしゃべらないように」と注意していたのがいまだに印象に残っています。しかし、友達との電車移動が楽しくて、ついついはしゃいでしまうものです。そういう子は、しっかり怒られていました。子どもでも、訓練を受けていたとしても、ノドは使えば疲労しやすいということです。
お酒の他に、もう一つ気をつけていることがあります。
ボイストレーニングをして横隔膜を鍛えると、以前よりくしゃみの音が大きくなるのです。
くしゃみは、なかなか横隔膜のコントロールがきかないものです。
音が大きくなるのはできるだけ我慢しますが、横隔膜の衝撃が強くなります。花粉症の時期など、くしゃみだけで体力を使います。
一度、うっかり身体を曲げながらくしゃみをしたら衝撃が強すぎ、一発でぎっくり腰になったことがありました。
それ以来、くしゃみのときは、しっかりとどこかに手をついて、身体を安定させながら行っています。一見滑稽ですが、これも仕方ないのです。
いろいろと気を遣いますが、それ以上に良いことが多いボイストレーニングです。
今後も皆さんにボイストレーニングの素晴らしさを誰にでも分かりやすくお伝えしていきたいと思います。