破壊的なイノベーションを起こすための「水平思考・水平展開」はチームから生まれる
日本経済新聞の「私の履歴書」フィリップ・コトラーさんの連載第23回にて「水平思考のアイデアを」という記事が目にとまりました。
以下引用いたします。
・・・・・(以下引用)・・・・・
・シリアルメーカーの場合新しいシリアルの商品を考える(垂直思考)のではなく、シリアルを使って他に何が出来るかを考える(水平思考)ことだ。日本だとユニ・チャームが生理用品から始まり、子供用から大人用おむつ、ペットシートなど吸収体を軸に水平展開している。
(中略)
この「AtoF」とは、アイデアを思いつく人(アクティベーター)、本当に創造的で刺激的なモノか吟味する人(ブラウザー)、試行可能なコンセプトに変える人(クリエーター)、ビジネスモデルに発展させる人(デベロッパー)新製品は新事業を立ち上げる能力のある人(エグゼキューター)、資金を供給できる人(ファイナンサー)だ。イノベーションの神髄は経済学者、ジョゼフ・シュンペーターが指摘した「創造的破壊」だ。
・・・・・(以上引用)・・・・・
コトラーさんは「5年先に今のビジネスモデルは通用しないだろう」と、締めくくっています。
このアイデアの出し方には一つの流儀があると思えます。
一つのことを徹底的に追求すると、そこを基盤にして、たこ足のように物事(ビジネス)が展開できるということです。
いくら「水平思考」しようと思っても、ある程度きわめていなくては、水平思考・水平展開しても、薄っぺらになってしまいます。
逆からの見方をすれば、水平思考・水平展開のほうが、体力を使いません。
一から新しいことを起こすのは大変です。
そして時間がかかります。
例えば、三流が超一流になるには時間がかかります。
この、スピード感を持って破壊的な変化が起こっている時代に、それではすぐに手遅れになってしまうのです。
しかし、一流が超一流になるほうが速い。
イノベーションを起こしたければ、まずは「自分の出来ることの棚卸し」をすることではないかと思います。
そして次は、コトラーさんの言うように「AtoF」です。
自分とは違う能力を持つ人たちと組む。
あえて「異業種」の人たちとチームを組むのです。
これからは、「我」を押し通すことでもなく、強力な「権力志向」でもありません。
私が「合唱チームビルディング」を推奨するのはそこなのです。
論理的に「チームビルディング」や「マルチ・リーダーシップ・マネージメント」を語るのはできますが、それでは実際に実行できているところはそんなに多くはありません。
例えば、オルフェウス室内管弦楽団は、指揮者のいないマルチ・リーダーシップ・マネージメントを行っている数少ない組織です。
しかし、それも、彼らプロ集団だからこそ可能な部分もあります。
「合唱チームビルディング」の手法は、実際に、どんな人でも、すぐにその場で魂が共鳴するようなチームが組める。
一人一人が小さなリーダーとなり、チームには「この人が必要だ」と思わせる。
今後、ビジネス界の皆さんが、合唱チームビルディングでチームの力を覚醒し、実際のビジネスに広げていっていただけたらと思ってやみません。