「言いたいことを何でも言ってください」と言われて本当に何でも言っていいのか
「最初はもじもじしておりました私たちも、次第にすっかり引き込まれ、
最後にはみな、合唱の楽しさや、協力することの大切さを感じたのではないかと思います。」
以前「合唱チームビルディング」を行いました、株式会社アイアンドディー様の社員さんブログの感想です。
「もじもじ」してしまう。
これは私もよくあります。同じです。
そして、これは私たちの良さでもあります。
言いたいことをなんでも言ってくださいと言われて、相手の立場を考えずに、本当に「何でも言いたいことを言ってしまう。」というのも困りもの。
あるチームの話です。
リーダーが、チームの組織を良くしようと、日頃からメンバーに「何でも言ってください。」と言っていました。
しかし、あるときからメールやコメントが殺到するようになり、収集がつかなくなった経験があったそうです。また言ったことを受けるということは必ずフィードバックも必要ですしね。リーダーさんの大変なところです。
じつは「もじもじ」しているというのは「言いたいけれど言えない」「明るく発散したいけれどどこまでしていいか分からない」というブレーキがきいています。それは相手のことを気遣っているバランス感覚のあらわれで、とても良いことだと思います。
そこで、チームビルディングでは、皆さんの殻を破るお手伝いをし、もう少しアクセルを踏んでいただく状況に持っていきます。
アクセルも、制限速度80キロのところを150までふんでしまっては行き過ぎです。
車の運転でも、事故をおこさないように周囲を気にしながら、アクセルやブレーキを踏みますね。
チームも同じです。
そして、合唱が良いところは、出すべきところを引きすぎて遠慮していたり、また我が強すぎて大きく出し過ぎ目立っていては、実際のハーモニーが完成されないということです。聞いていただくと、聴こえてくるハーモニーが俄然変わってきます。
そして仕事が上手くいっている会社は、経験がある無しに関わらず、ハーモニーがよくまとまるのです。これは不思議な事実です。
特にアカペラ合唱は、「全体を見ながら、声を溶け合わせる」ということが良いハーモニーを作る上で大変大事なことです。
日本が成熟してきて、今後の企業でも、相手への尊厳を持って言うべきことを言えるチームづくり、出来るだけ同じメンバーで長い間仕事がし続けられるチーム作りが必要になってくると考えています。