ゆっくり動くと思い込みが排除される
元横綱貴乃花親方の奥様で、花田景子さんが、月刊ウェンディという新聞のインタビューに答えていました。
(この新聞よくポストに入っていて、いつもは読まずにいたのですが今回はなぜかインタビューにひかれて読んでしまいました)
・・・・・(以下引用)・・・・・
現役時代に親方の姿勢に心を打たれたエピソードはたくさんありますが、起きている時間は全て「相撲」のために使っていたと思います。例えば立つ、座るという動きがありますよね。これが現役のころ、すごくゆっくりだったんです。「体が大きいからゆっくりなのかな?」くらいに思っていたら、わざとゆっくり動くことで、自分の体に負荷をかけていたそうです。
また雪駄をきっちりそろえて脱いでいたのも、土俵の砂を足の指でしっかりつかむ動きを確かめるため。日常の動作も全て無駄にしていなかったんですね。
親方が言うには「そういうシンプルなことの積み重ねが大事だ」と。それを毎日積み重ねて。窮地に立たされたときの最後の自信になるですって。「それが自分との闘いの成果だ」と、親方の口から初めて聞いたときは涙が出ましたね。
・・・・・(以上引用)・・・・・
ゆっくり動くことは意外と難しいことです。
やってみようと思っても、ついつい素早く動いてしまいます。体力と集中力がないと出来ないものです。
ゆっくり動くと何がいいかというと、負荷をかける意味もありますが、思い込みで行動することが減ることです。
素早く動くと、自分のしていることが見えていないことがほとんど。
試しにゆっくり動かしてみると、細かいことが見えてきますし、物事の本質が見えてきます。いかにいい加減にやってきていたのかよくわかります。
音楽でも、速いパッセージほどゆっくりと練習すると、細やかなところにも意味を感じられ、弾き飛ばすことがなくなります。
速く弾いているからすごいと思いがちですが、実は、ゆっくり弾くことは難しいことです。
横綱として、あそこまでの境地に立たれる方というのは、生きている時間の全てを相撲に捧げられているのですね。
究極のプロというのは己を磨くためにすべてを奉仕しているのだということを改めて感じました。
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