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会議・ディスカッションでたちまち意見が出てスピーディーに結果が出る「喫茶店理論」

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「グループでせっかくディスカッションの時間を持っても、皆、なかなか話し合ってくれないんだよなあ」
「ウチの社員おとなしくて。会議でもほとんど意見が出ない」
企業のマネージャーさんや経営者の方々が、よくボヤいているのをうかがいました。

しかし、「合唱チームビルディング」になると、皆さん積極的に、しかも的確な意見を出してくださいます。

それでも最初のうちは、ディスカッションの時間をとっても、だんまりしてしまう方々が多く、同じように感じていました。

繰り返し行ううちに、あることに気がついたのです。

私の「合唱チームビルディング」は、ソプラノ、アルト、テノール、バス、とパートごとに分かれてディスカッションしてもらいます。

チームの人数が7人以上になると、その瞬間から、皆さんしゃべらなくなってしまうのです。
そして6人以下のグループは盛んに話し合いが盛り上がっていました。

そこで、パートが7人以上になる場合は、そのパートは2つのグループに分かれてもらいます。
例えば、テノールが7人だとすると、「テノール1」が4人、「テノール2」が3人というようにします。

そうすると、生き生きと意見が飛び交い、ディスカッションが上手くいくのです。
短い時間でも、スピーディにたくさんの意見が効率よく回ります。


皆さんは、決して何も考えていないというわけでもありませんし、変におとなしいというわけでもないのです。じつは、しっかりと自分のご意見を持っておられますし、周囲との協調性も身につけておられます。

よく「話し合いの人数は多ければ多いほどよい」と言われることもありますが、あまり人数が多いと意見は出てきません。

まず周囲を気にします。

例えば、20人くらいで話し合う場合、正面から見ていると、皆さんの視線は左右をキョロキョロしています。
誰が何を言うか気にして、「この人は何を言うか」を見てから話そうとしています。また、「他の人が何か言ってくれる」と人任せになって当事者意識が薄くなります。
そして誰かが何かを言うのを待って、意見の強い人にその場は合わせてしまうのです。
こうなってしまうと、チームビルディングは成功しません。

そういう方々でも、喫茶店やカフェの4人がけくらいの席でお話していると、2時間でも3時間でも平気で盛り上がって話しています。
しかし、喫茶店でも、人数が7人くらいの場合をよく観察していると、おしゃべ好きなメンバーの中でも、ずっと黙っている人が必ずいます。

私は、しっかりした意見を素早く的確にまわしたいときは、4人くらいがちょうどよく、多くて6人以下と思っています。
特に合唱チームビルディングのような場では、そこに社長さんが入ったとしても、一般の社員さんが平気で「社長、隣で声が大きすぎてハモりにくいです〜」とか言う意見が出たりします。仕事とは関係ないので言いたいことが言いやすい雰囲気になるのです。また社長さんもなぜか「そうか〜?」と嬉しそうにしています。心の中で「良い感じ」と思うときです。

私は、このディスカッション方式を、喫茶店で意見が盛り上がる様子から「喫茶店理論」と名付けました。

良い意見がたくさん出れば、全体は良い方向に行きます。
最終的に、全体の意見を一つにまとめるのはその後の全体発表にて行えばよいのです。
そういうときこそ、チームビルディングでの指揮者の器量が問われます。
その技法についてはまたの記事に書かせていただければと思います。

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