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ライフワークとしての学びを考えます。

今更ボイトレを始めてももう遅い? ボイトレはどのくらいから始めると良いのか?

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よく、他の器楽と比較すると、声楽家の「現役寿命は短い」と言われます。
体が楽器であるから、仕方ないことだと思われます。

そういう話しをお聞きになってでしょうか。本格的な声楽やオペラまでやらなくとも、ボイストレーニングの受講生でも「私はもう年だからだめ」とおっしゃる方もいます。

じつは、そんなことはまったくありません。

それどころか、器楽は、特にピアノやバイオリンは、早く始めれば始めるほどよく、遅く始めるのは大変です。
声楽やボイストレーニングこそ、大人になってからでも、自信を持って始めていただきたいと思っています。

2013年11月12日日本経済新聞「文化」に「93歳、衰えぬ奇跡の歌声」と題された記事が掲載されていました。

なんと御年93歳の声楽家、栗本尊子さんが、7月に新日鉄住金音楽賞を受章されたのです。

新日鉄住金音楽賞は、一般的にはあまり知られていませんが、音楽家の間ではとても素晴らしい賞として名が通っています。

栗本さんは、作曲家の中田喜直さんや山田耕筰さんから直接教えを受けながら作品を歌ってきた方です。普通は、作曲家が亡くなってから演奏するのは、演奏家の想像力に任されます。存在しない演奏家の意図に悩み、天国に通じる電話があったらかけたいくらいです。しかし栗本さんの場合は、作曲家の生きた言葉をそのまま歌に込められている。それは、本当に素晴らしいことで、それゆえの説得力も大変なものだと思います。

     ・・・・・(以下引用)・・・・・

年に2〜3回、みなさんの前で中田喜直さん作曲の「夏の思い出」や山田耕筰先生の作品などを歌うと「日本語がきれい」と言って下さる。若いときオペラを日本語でわかりやすく歌っていたことがきれいな発音につながっていると思う。
(中略)
歌手としての健康法はとくにないが、引力の法則で耳穴など体中の穴がしたに引きずられるのには抵抗して、ときどき引っ張っている。本当の話。これからも重力に負けずに声高らかに歌いたい。

     ・・・・・(以上引用)・・・・・

生きていくための希望を与えていただいたような気がします。

声は正しく発声していれば、年齢を重ねても素晴らしくなります。
そして、体が楽器なだけに、正直に、経験を積んだ分だけ、声に深みと説得力が生まれます。

ボイストレーニングは、あきらめなければどんな方でも声が良くなります。
今からでもまったく遅くはありません。

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