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ライフワークとしての学びを考えます。

この人は人の時間を使うことに鈍感ですからもう一緒にお仕事はしないと思います

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最近、気になることがあります。
仕事において、何かのイベントや勉強会において、かなりの人が時間に関する感覚が緩くなっていないかということです。
出欠申込みの期限、事前提出書類の期限、当日の開始時間、3分のところを5分も10分も話して時間をオーバーする・・・・・。
 
先日、千代田区に用事があったのですが、どうしても遅れることができないと思ったため、家を2時間前に出ました。私は、川崎市に住んでいるので、1時間あれば十分間に合うところを余裕をみたのです。ところが、そういうときに限って、駅に到着する10分前に予測できない人身事故が発生していました。タクシー乗り場は長い行列ができていて、タクシーの供給が間に合っていないようです。いつもお願いしているタクシー会社に電話をすると、すぐに来てくれると言います。時間の心配をしたくなかったので、そのままタクシーで直接会場まで向かってもらいました。
当然、料金もお安くはありません。
でもそのときは、時間を買うのだと思いました。
生きたお金の使い方だと考えました。
 
しかし、そこまで強い想いを持って会場に到着しても、やはり理由もなく遅れてくる人はいるのです。
 
知人のピアニストは、ピアノも上手ですが、英語とフランス語のバイリンガルで、同時通訳としても一流の方です。ビジネスやイベントでの通訳もしています。
最近、彼女と話す機会がありました。
 
あるフランスの会社のイベントを、東京国際フォーラムで行ったとき、主催者が決められた時間までに到着しなくてヒヤヒヤしたと言います。前日の準備も間に合っていなくて、どうなるかと心配していたそうですが、最終的には、日本人スタッフがなんとか頑張って間に合わせたそう。
「遅れてきても、悪びれもせず堂々としていて、本当にしょうがない」と怒っていました。
フランスに留学したときは、そのまま帰ってこないのかと思っていたような人だったのですが、数年で帰国したのは、そんな文化にイライラしてしまったからだそうです。
日本では当たりまえにできることが、出来ないのだと言います。
 
その話をきいたとき、日本とフランスでは、文化の違いはあるのでしょうけれども、あまり良い意味ではありませんが少しずつグローバルになってきたのかな、という感じがしました。
 
 
私も様々な企画や仕事で、いろいろな方とご一緒する機会があるのですが、決められた時間に遅れてくる方がとても多いのです。特に、その業界はそういうことが許される文化があるのかもしれません。
忙しいのは分かるので、もし遅れてくるのなら直前でもいいから、あらかじめ知らせて欲しいとお願いすると、逆に怒られてしまう、などのことが積み重なると、この方々とはご縁がないのかなとも思えてきます。
 
なぜなら、私も人生という与えられた時間を生きている一人の人間だからです。
一緒に時間を使うことはご同行。こちらも大事な時間を使っています。
 
幼い頃、師匠に「音楽は時間の芸術だから」と言われて、レッスン時間の5分前に先生のご自宅のチャイムを鳴らすようにしていました。
早く到着したら、近所のマクドナルドや本屋さんで時間をつぶしてから伺いました。
 
才能は、いくら望んでも努力だけでは体得できない。
でも、時間を守ることは才能は関係ない。
それなら、時間くらいは守ろう。
先生に失礼だからじゃない。
先生はピアニストだ。皆に幸せを与えてくださるためにもっと練習しなくちゃいけない。その貴重な時間を自分のために使ってくれている。先生の後ろにはもっとたくさんの人がいる。そう思ったからです。
 
しかし、時間の感覚を深めることはもっと大事なことがあります。
最終的には、人生は人とのご縁です。ある経営者と話していたのですが「あの人は人の時間を使うことに鈍感ですからもう一緒にお仕事はしないと思います」とおっしゃっていたのが印象に残っています。心ある人はそういうところをきちんと見ています。
良いご縁と運気を逃していないか。本当にもったいないと思いました。
 
時間の感覚を身につけるとは、自分のためになるのだと思っています。

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