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ライフワークとしての学びを考えます。

勝ち抜くための流行に染まらないことが流行をつくる

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クラシックの音楽コンクールでも流行というものがあります。
 
競争のために、いかに技術があるか見せたり、必要以上に速弾きしたり、難曲を完璧に演奏するというよりは、音楽性重視になってきています。
 
例えば、十分に速く弾ける人でも、すこし制御してスピードを落とし、音楽性をじっくり聴かせる方向で曲想作りをするのです。
 
また、審査員に音大教授などアカデミックな方面の方々が多い場合、または、演奏家が多い場合とでは、曲想作りもまた変わってきます。
 
そして最近、子供のうちから皆さんが傾向と対策をなさっているのはすごいことだと思います
 
やはり情報社会の賜物だと思います。
 
これはどのジャンルでもそうかもしれません。
 
しかし、この時代だからこそ、皆が流行を取り入れていることに時間を使っている間に、独自の方法を開発し、誰も真似できないものを生み出す。
そして、自らが時流を作り出すということができたらすごいことです。
 
 
一つ難しいことは、「勝ちぬくために創造する」のではないということです。方法と結果を取り違えてはいけないということだと思います。
 
いまや、世界的人気になった熊本のPRキャラクター、くまモン。
 
最近、くまモンを作ったクリエイティブディレクターの水野学さんがテレビで紹介されていました。
水野さんは仕事をうけたときに、くまモンのようなキャラクターを依頼されたわけではなかったそうです。
くまモンは、一見普通のゆるキャラに見えますが、良くみると細やかなところが他のゆるキャラとは大きく違っています。部屋中に、少しずつ違う表情のデッサンがたくさん貼ってありました。水野さんは「自分にまったく自信がない。だから考え倒す」とおっしゃっていました。
熊本を皆さんに知ってもらいたい、熊本をよくしたい、そして、熊本の人たちに熊本って良いねと胸を張ってもらえるようにしたい、という自らの強い思いから、くまモンが生まれたのではないかと思います。
 
 
美しいと感じたことを他の人にも伝えたい。
そのためには、自分の世界を築くこと。
自分の個性や世界を構築するのは、自分の中にしかない。
求めるものは自分の内側にある。
内側にある良心の叫びを感じる。
その追求の結果、その人しか出来ないものを生み出し人に喜ばれ社会の役に立つ。
 
しかし、情報のシャワーは、何もしなくとも避けることはできない。
分かっていながらも、染まらずに、流れに逆らわず、流されながらも自分を貫くことは、知恵が必要だと思っています。
 

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