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息が苦しくても細く息をはくことで呼吸は楽になる 肺の酸素を効率よく使える呼吸法

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2013年8月20日、昨日の「スーパーJチャンネル」にて、舳倉島でアワビ漁をする海女さんの特集を見ました。
 
7~9月までアワビ漁が解禁になると120人が島に移り住みます。「大海女」と呼ばれるベテラン海女の本村さんは、他の海女より数百メートル沖に出て、より深く潜水し、高級のクロアワビを狙います。4時間で160回も潜水し、なんと3ヶ月で300万円は稼ぐそうです。
 
本村さんの技の特徴は
1、15メートル下のアワビを水面から見ることができる視力
2、潜水したら体力の消耗を防ぐためゆっくり動く
3、磯笛
です。
 
この中でも、3の磯笛は海女独特の呼吸法で、今回初めて見ました。
ベテランの本村さんでも、長時間の深い潜水から上がってくると当然苦しい。そこを普通の人がするように「ハアハア・・・」と呼吸せずに、まるで口笛を吹くように細く息をはいているのです。
 
取材の方が「なぜ、普通の人がするようにハアハアしないんですか?」と質問すると、本村さんは「この方が楽だから」と答えていました。
磯笛という呼吸法を行うと肺の酸素を効率よく使えて、潜水を何回も行うことができるのです。
 
ちょうど、私も心拍数を計りながらランニングをしている最中だったのですが、息が苦しくなってきても、細く長く息をはくと、呼吸が楽になるし、その場ですぐに心拍数も下がります。以前レースに出ていたとき、苦しいからと言って「ハアハア」と激しく呼吸すると余計に苦しくなってしまうという経験をしたことがありました。
私がいつも行っているのは、このブログでもよくご紹介をしている「横隔膜トレーニング・ブレス」です。これを行うと、横隔膜がしっかりと使えて呼吸できるようになります。
口笛を吹くくらいの口の隙間から、口を膨らませながら息を細く長くはくという方法で、海女さんの磯笛とも原理がにている気がしました。
 
しかし、海女さんの場合は、もっと深刻な理由があります。
素潜りするとき、深呼吸の回数を多くすると、体内の二酸化炭素の排出を促してしまいます。そうすると、潜水のとき酸素不足を脳が感じるのが遅れ、水面まで浮上する前に失神してしまう場合があります。磯笛の呼吸法はそれを防ぐためのものなのです。
磯笛は、2000年の海女の歴史が生み出した知恵と技なのですが、きちんとした科学的根拠があったのです。(なれない人が海に出て単独で試すと危険だそうですから気をつけてください。)
 
それでは、本日もこの記事が初めての方向けに、横隔膜も鍛えられる「横隔膜トレーニング・ブレス」をご紹介いたします。

★★横隔膜トレーニングブレス★★
 
1、肋骨のすぐ下あたりに手を当てる
 
2、顎を下げて口を開け、思い切り息を吸う
 
ポイント:肩が上がらないように。お腹が風船のように張る感じを手で確認すること。
 
3、口を閉じ、唇に針一本通るくらいの隙間を開けて頬と鼻の下がパンパンにふくらましながら5秒息をはきます。
 
ポイント:頬と鼻の下がリスがエサを口に入れているようにパンパンにふくらませる。ここが遠慮がちになっては効果がありません。口の前にティッシューをかざすと地面と平行になびくくらいの呼気です。お腹はできるだけ張った状態を維持します。

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