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ライフワークとしての学びを考えます。

オオカミと生きるピアニスト

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フランスのピアニスト、エレーヌ・グリモー。
 
クラシック音楽界の第一線で活躍していますが、彼女にはもう一つの顔があります。
 
演奏で得た資金により、ニューヨーク・ウルフ・センターを設立。
ニューヨーク州郊外で野生オオカミの生態を研究しながら保護活動に取り組んでいるのです。
 
グリモーは、初めてオオカミと出会ったときからその魅力にとりつかれました。
オオカミは愛情深く神秘的な動物。
その霊感は、グリモーの演奏に大きな影響を与えています。
 
グリモーは幼いとき何も言うことを聞かない子供だったと言います。そのグリモーがピアノだけは弾いたのです。
しかし、オオカミとの交流から、その音楽はさらに自由に、軽やかになっていきます。
 
グリモーはその個性的なスタイルから、一般的なピアニストがコンクールを登竜門としているのとは違う道を歩んでここまできました。現代においては珍しいケースだと思います。

 
ドキュメンタリー番組で見せた、ウルフ・センターで作業用のつなぎを着たグリモー。オオカミの餌をいれたバケツを持ってかけていく姿、オオカミに顔をなめられている表情。ピアノを演奏しているときのグリモーが自然と重なります。
 
本日は、グリモーの弾く、ラヴェルのピアノ協奏曲ト長調の第二楽章を聞いていただくことにしましょう。
 
ラヴェル作曲 ピアノ協奏曲ト長調 第二楽章→リンク
 
音色を様々に変化させながらも自然体の演奏で、ものがなしい詩情が胸にせまってきます。
彼女にはオオカミの精霊が宿っているのでしょうか。
 
これからもピアノとオオカミの保護と、二束のわらじで活躍していただきたいピアニストです。

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