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ライフワークとしての学びを考えます。

私、こんな風に見られてたの? 他人は知ってて自分が一番知らないものってなあに?

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最近、ビジネスの講演やプレゼンテーションにお伺いする機会をいただけるようになりました。
そういうとき、話し手が録音や録画をなさっているかどうか、つい気になってしまいます。
 
そうすると、ほぼ9割くらいの確率でご自分の話しを記録していません。
もしかしたら、私の分からないところで録音や録画をしておられるかもしれませんが、それを抜きにしても、皆さんとっておられませんでした。
 
ある経験豊富なビジネスパーソの受講生に、トレーニングで録画したものをお見せしたことがありました。そうすると「えっこんな声だったの?気持ち悪い。もういい。もう分かった・・・」と言うほど、ショックを受けておられたのです。
 
ボイストレーニングを学ぼうとするほどですから、声を良くしたい、人前で立派に話せるようになりたい、と高い意欲をお持ちなのにも関わらず、ご自分を客観的に見るということをなさっていなかったのです。また、ご自分を外からみるような機会もあまりなかったのかもしれません。
 
なぜショックを受けてしまうのか。
 
それは、ほとんどの方は、自分の声が実際より良く聞こえているからです。
 
録音を聞いて、共通する感想は「思ったより声が甲高い。落ち着きがなく、自信がないように聞こえる」と言います。
 
自分の声は、骨伝導と言って身体の中から伝わる音と、空気の振動で伝わる音のミックスで聞こえています。
骨伝導で聞こえる声というのは自分にだけ聞こえる声です。これは、長い年月自分だけが聞いているため、もし良くない声であったとしても、少し割り増して聞いています。自分のイメージに勝手に近づけて処理して聞いているのです。
 
そのため、あるとき客観的に録音された声を聞くと、本人だけがショックを受けてしまうというわけです。
自分自身も、録音の声を聞いたときのことは忘れられません。しばらくは人前に出たくなくなりました。
 
声を良くしたいと思ったら、まずご自分が他人からどのように見えているか客観的に知ることです。そして初めてトレーニングも成果が上がるようになります。
 
ただ、声の場合、骨伝導もあり、自分を客観的に知るのは難しい。
手軽に録音できるボイスレコーダーやスマートフォンで録音して、後で聞くことが大事です。できれば、録画すると、姿勢や目線にまで気がつくので、もっと良いと思います。
 
皆さんは、他人の話しているのを聞いて「これじゃあだめだよ。ここをこうしたほうがいいのに」とか、的確に判定されますね。本当はよく分かっておられる。でも自分のこととなると分かり難いものなのです。
 
それなら、録画・録音からまるで他人が話しているように判定してみる。
 
声の高さ、トーンなどはもちろんのこと、語尾がはっきりしない、言葉がつまる、「あー」とか「えー」とか無駄な音が入りすぎる、早口、などは、録音するとすぐに分かります。自分で見ると直そうという気持ちになるものです。
 
ボイストレーニングを行うなら、その前にぜひ録画・録音をしてみることをおすすめします。
 

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