プロとアマの違い
「可能性を広げるためには、自分で自分を教育していくしかない」
自分のやり方を貫くためにどうずればよいか。
イチロー選手が言っていた言葉です。
作家の塩野七生さんの著書「日本人へ リーダー篇」の中で、プロとアマの違いについて書かれています。
要約して引用します。
・・・・・(以下引用)・・・・・
・「絶対音感」とは、音に対する絶対的な感覚のことであろう。それと同じように、ファッションにも絶対色彩感覚がある。ジョルジオ・アルマーニにはその感覚があった。
(注:絶対音感とは、ある音を単独に聞いたときに、他の音と比較せずに何の音か即座に言い当てることができる感覚のことで、職業的な知識に近いものです。絶対音感がなくても活躍している音楽家は存在します。でも、塩野さんのおっしゃりたい意味は伝わります。)
・出版の世界で勝負を決めるのは文章に対する感覚の冴えであり、書く対象に適した文体をモノにできるか否かにかかっている。
・ジョージ・ソロスには絶対ファイナンス感覚があるにちがいない。
・ヴァレンテイーノ・ロッシは絶対運転感覚が優れている。
・アレクサンダー大王も、ユリウス・カエサルも、ハンニバルを破った武将スキピオも、戦略戦術上の絶対感覚の持ち主であった。
・小泉純一郎は幸運に恵まれているように見えるが、絶対政治感覚がある。
・分野が何であろうとこの種の絶対感覚は、いったんもてば、それ以後も維持できるというような、簡単なものではない。
・・・・・(以上引用)・・・・・
この絶対感覚を持ち、常に磨いているのがプロだというのです。
その感覚が鈍らないためにはどうすればよいか。「自己反省」が大事なのだそうです
「反省は徹して自分の言行の反省に限定すべきである。そして自己反省は、絶対に一人で成さねばならない。決断を下すのも孤独だが、反省もまた孤独な行為なのである(本文より引用)」
あの長大な「ローマ人の物語」を書いた塩野さんだからこその説得力があります。
自分と向き合うことができるかどうか。
これがプロとアマを分ける条件の一つだと言います。
自己反省というのは難しいと常々感じます。
自分に対する甘えが出るからです。
イチロー選手は、だからこそ「自己評価が一番厳しいこと」と条件をあげていました。
昨日の記事にも書きましたが、答えは自分の中にある。
自分を見つめ、自分に問い、その答えのない問いを永遠に繰り返す。これができた人だけが一流のプロとして立つことができるのだと思います。
これは万人が到達できるわけではない。だからこそ素晴らしいのです。
長い道のりです。