なぜ私の話が伝わらないのか それは息が足りないから
最近レストランに行ったとき、素晴らしいサービスがいらっしゃいました。
彼がメニューの説明をすると、まだこれから出てくるであろう料理の美味しそうな味や色彩、そして、食べたときの感動がイメージできるのです。
事務的な一本調子だったり、メモを見ながら話すサービスが多い中、彼の話しぶりはプロフェッショナルを感じさせてくれました。
もちろん、料理に関する知識や、勉強を怠らない姿勢も大事なことです。
でも、いくら自分が良く分かっていたとしても、伝わらなければ意味がありません。良い内容をお客さんにお伝えできることが良いサービスではないでしょうか。
そのサービス、低く落ち着いた声、ゆっくりと丁寧な口調、お客さんへの目線など、どれをとっても素晴らしいのですが、群を抜いてよかったのが話すときの息づかいです。
私は、歌やしゃべりは呼吸だと考えます。
どういう息づかいをするか、で決まってきます。
つまり、表現とは「どのような声帯の閉じ方をして、どのくらいの息を流すか」がポイントになるのです。
このサービスの場合は、声に少し多めに息を混ぜることで、素晴らしさを表現していました。
美しい景色を見て、「ああ!」と感動したとき、声に息が混じりますね。
文字で表すとすると、「はああh・・・!」という感じになるでしょうか?
このためには、声帯を緩く閉じて、息を多めに流してあげる必要があります。
その方法を、随所に嫌味にならに程度に使いながら話していました。あまりやりすぎるとくどくなってしまうので注意が必要で、このあたりがセンスの見せ所です。
ビジネスのプレゼンにおいても、大抵の方は「しっかり話そう」とか「滑舌よく話そう」と考えすぎておられて、なかなか「表現」が伝わってこない場合が多いですね。息をつめて話している上に、声帯を硬く閉じようとしているのです。ぜひ、息づかいを豊かに表現していただくともっと伝わるプレゼンになるのではないでしょうか?
ただし、良い息づかいをするためには、しっかりとした呼吸が必要。
息が足りないのは、貧弱なエンジンのようなものです。
表現に余裕と幅を持たせるためには、ぜひ、呼吸を鍛えてあげなくてはなりませんね。
まず最初のおすすめは、「横隔膜・ブレストレーニング」です。
参照記事:どんなに他のボイストレーニングが成功していても横隔膜が使えていないと良い声は出ない 横隔膜の簡単なトレーニング
しかし、自分自身、レストランに行っても、ついつい人の声が気になってしまうのは職業柄でしょうか。
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