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音が高く上がるといつも強くなってしまう 音が高くなっても弱く歌うには

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2012年12月18日、私が代表・指導を務める合唱団「コール・リバティスト」の練習がありました。
 
この日は、秋島先生をお招きし、山田耕筰作曲。増田順平編曲の「この道」をお教えいただきました。
 
「この道」は、北海道のさわやかな美しい情景をしみじみとした情感を込めて歌う名作です。
 
誰でも知っているような作品ですし、親しみやすいメロディなのですが、声楽的には意外に歌いにくいものです。
 
「このみち~は~、いつかきたみ~ち~」の「いつか」の「い」。「は~」から「い」まで音が高く飛んでいるのですが、トレーニング不足ですと日本人は「い」の母音が狭くなるので、どうしても音が下がります。
誰でも知っているメロディですので、下がってしまうと聞いている人は、大変残念に感じてしまうのです。こういうところが名作を演奏する上で難しいところですね。
 
この作品は、山田耕筰が作曲したものに、増田順平が名編曲を施しているものです。
作品の真中に、ハミング(フ~ン、フ~ンと鼻歌のように歌う)のみで演奏する「間奏」は、増田さんがつけたもの。ここがこの世のものとは思われない美しい転調を伴って、感動を呼び起こす秀逸さです。
 
ここで、音が繰り返し跳躍して上がっているのに、ディミヌエンドの指示がついている箇所があります。大変美しい場所なのですが、ここをクレッシェンドして演奏して
しまいがちなのです。
 
それはなぜかというと、高い音に上がっていると、人間は音を強く発声したくなります。
音が上がるということは、息がたくさんいるということです。そうするとなんの訓練もしていないと気持ちが昂ぶり、喉周辺も緊張してしまい「強く硬い音」になってしまいます。自然にそうなってしまうものなのです。
そこを、なんとディミヌエンドして美しく歌う。
 
そのためには、ボイストレーニングで、高音でも「コントロールできるように」しておくのです。
声帯がしなやかに柔らかく反応すれば、硬く強くならずに歌えます。
 
私は、そのために「ポルタメントボイストレーニング」を行っています。
あくびのように「あ~ぁ」と音を下げたり、上げたりするトレーニングです。
 
また、高音で「エッジボイス」を行います。
これは「エッジ」と言って「あ”あ”あ”・・」と声にならない声を出して声帯のリラックスを覚えるトレーニングです。これを高い音で「あ”~」とロングトーンして行います。
 
素晴らしい場所を、天使の羽のように弱音で柔らかく歌いたいですね。
 
リバティストでは、そんなに経験のない方でも、音楽の素晴らしさを体感していただけるような練習をしています。皆さん、とても緻密なアンサンブルができるようになってきました。
 
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