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「声が弱々しい」「あがってしまう」 知的で説得力のある響きを手に入れるビジネスボイストレーニング 『支え編』

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良い声を出すには、腹式呼吸と同時に「支え」が必要です。
 
特に、「ここぞ」というところで強く響く声を出そうと思ったら、息をしっかりと通す必要があります。そういうときはこの「支え」なしには出すことは出来ません。
 
発声でいう「支え」とは、力を込める重心とでもいうべき場所です。
 
支えの代表としてよく言われるのが「丹田」という場所です。
丹田は、へその下3寸(約9.1cm)くらいのところにあり、この場所に支えをつくって声を出します。
 
腹式呼吸には、「息を吸うと下腹が出て、息を吐くと下腹がへこむ」という方法があります。これも、もちろん理にかなっていて正しいと思います。
 
しかし、私がおすすめする方法は、声を出しているときは下腹は常にパンと張った状態にしていただきます。
 
しっかりした声を出すため、丹田の位置に常に重心をおいたままにしておきたいからです。
 
普通の会話ではここまでする必要はありませんが、人前で話すときというのは、しっかりした声が必要ですので、丹田を意識できるようにしておきたいですね。
 
しかし、丹田と言っても、どうやってそこに重心をおいてよいのか分からないものです
今日は丹田を意識するトレーニング方法をお伝えいたします。

◆丹田トレーニング
 
1、壁に背中をつけてまっすぐに立つ。
 
2、誰かに棒のようなもので下腹の丹田を押してもらい、口を開けて口から息を吸う。息を吸ったときに棒を押し返すようにする

ポイント:息を吸うとき肩が上がらないこと。背中が壁から離れないように。
 
3、棒を押し返した状態を維持しながら、口を開けたまましばらく息を止めて、口から一気に息を吐く。息を吐いたとき下腹がへこまない。
 
ポイント:腹式呼吸は横隔膜で行います。下腹は張ったまま、横隔膜をゆるめると息を吐くことができます(腹式呼吸は下記記事参照)。最初はなれないですが動きを覚えていきましょう。腹筋をガチガチに硬くすると上手くできません。
慣れてきたら、棒がなくても自分で丹田に力を込めることができます
 
4、3の状態で息を吐くかわりに発声を行ってみましょう。
 
☆腹式呼吸の参考記事
「宴会では大きな声で笑う」 知的で説得力のある響きを手に入れるビジネスボイストレーニング『腹式呼吸編』

丹田を意識できるようになりますと、普段座っているときでも、立っているときでも、姿勢が安定してきます。長時間同じ姿勢でもあまり疲れることはありません。
また、息がたくさん送りこめるようになりますので、大きな響きで声を出すこともできるようになります。
 
また、緊張するような場でも、丹田に力を込めることを覚えると、極度に「あがる」ということが少なくなります。人はあがりすぎると、声も上ずってきてしまうものです。講演などでプロの場合はそれが人に伝わっては具合がよくありません。しかし、どんな人でも多少の「あがり」というものはあり、それがあるからこそ良いパフォーマンスを発揮できるのです。丹田に重心を持ってくると、力に満ちて、ほどよい緊張感の中で話ができるようになります。

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