簡単にできる「あいまい母音」の発声トレーニング
英語の歌を歌うときに、気をつけたいのが日本で一般的に「あいまい母音」 と言われる発音です。
外国では、母音の発声トレーニングをするときに、[a]とか[o]などと同じように [ə] のロングトーンが出てきます。
それぐらい、普通に使われるもので、外国では「あいまい」という使われ方はしていないそうです。シュワー(schwa)とも言われています。
また、英語の歌を歌う場合、他の言語に比べると母音の種類が多く、同じ「ア」でも4種類もあったりして、日本人にとって馴染みがある言葉ですが、歌のほうはちょっとめんどうな面もあります。
2012年8月25日私が運営・指導を行う合唱団「コール・リバティスト」の練習がありました。夜の稽古に東京混声合唱団のテノール歌手秋島先生をお招きしてご指導いただきました。
この日は、「あいまい母音」の発声方法を勉強しました。
[ə] の発声に持っていくためには、まず口の形と舌が大事です。
ただ、そういわれても、どうやって発声したらいいかわかりませんね。
自然に [ə] を発声するための具体的なトレーニング方法をご紹介します。
1、[t]
「トッ・・」と、舌をしっかり上アゴにあててはじきながらアゴもさげて発声
2、 [ə]
[t]のを発声した後の口の中の状態を変えずにそのまま [ə] ~と発声
このとき [ə] に音程をつけてロングトーン
3、[t]→ [ə] ~~~、を繰り返す
「あ」とか「う」とか、発声時に何かを働かせようとしない状態、舌とか息をとめて、力が抜けたあとの状態が自然に作れます。
これは他の子音でもできます。
・[s]のパターン
「s~」→ [ə] ~~~
・[r]のパターン
「rrrrr」と巻き舌をして、そのまま [ə] に持って行く。
rrrr [ə] ~~~
子音の発声をしっかり行ってから、そのままの状態をキープして [ə] を発声しすると上手くいきます。
この発声をマスターすると、英語の歌がだいぶそれらしくなります。
現在大人気のイギリスの作曲家、ボブ・チルコットの作品「Irish Blessing」を歌いました。
[ever]や[of]なども、歌にすると難しいですね。ついついジャパニーズイングリッシュになってしまいますね。
この日は他に、佐藤眞作曲の「蔵王」より「樹氷林」「吹雪」、山田耕筰作曲・増田順平編曲の「この道」などを歌いました。
合唱はいろいろな言葉を扱いますから面白いですね。
これからもみんなで良い勉強をしていきましょう。