忙しい人ほど効率の良い練習をするべき
アマチュア合唱の練習でよく見る光景というのがあります。
それは、全体が集まってから指揮者がパートごとの「音取り」(譜読み)をしているのです。
通常は、パートの練習を行ってから全体を合わせるものなのですが、社会人の場合、音取りの時間がとれないために、指揮者が手とり足とり音を読んであげる結果になってしまいます。
そうするとどうなるか。
混声合唱の場合は、ソプラノ・アルト・テノール・バスの4つ分かれるので、一つのパートを取ってあげている間、他の3パートは休んでいるという非効率的な時間の使い方をしてしまうのです。
しかも、音を読んでいるのが精一杯ですから、わざわざ全体の前でする必要はありません。
それはとてももったいないことです。
せっかく忙しく貴重な時間を使って集まっているのですから、全体で合わせるときはぜひ音楽作りをしたいと思いました。
もちろん、アマチュアでも、ものすごく上手な方ばかりが集まっていれば、全員が集まるまでに自習で音は取れています。
しかし、現在のアマチュア合唱の90%は、そこまでするのは難しいのではないかと思います。
それならせっかく一度に集まるのですから、練習の時間を2部に分けて、女声と男声などパートの練習と発声の部、それから、全体で合わせる部にすればよいと考えました。
私の運営する合唱団「コール・リバティスト」は、土曜日の練習を午後と夜間の2部に分けて練習しています。
午後に音が取れて、喉も温まり、アンサンブルも出来た状態で全体であわせると、とても効率よく練習が進みます。
また、音が取れたとしてもそれで終わりではありません。表現を深めていく練習も必要です。その場合、やはり全体で合わせてしまっては、どうしても大雑把になってしまい、細かいところまで見ることは難しいのです。
その点、分かれて細かく練習できるパート練習は大変有利です。
リバティストでは、皆さん大変だと思いますが、本当によく集まってくださいます。
やはり、練習時間が充実すると、レベルアップも早いですね。
佐藤眞の「蔵王」は、約1ヶ月ですべて音取り完了です。以前でしたら3ヶ月はかかっていたと思います。
次は、山田耕筰作曲、増田順平編曲の日本の歌曲集にチャレンジしていきます。
まずは「砂山」から。
増田順平さんは雰囲気のある編曲が特徴です。
ぜひ、音楽性を楽しみたいですね。